2011年7月10日 (日)

0348- 110710 水平思考

ラテラルシンキングと言う言葉がある。日本語に訳すと水平思考である。水平思考は自由に志向し、解答は一つではない。どんどん発想をひろげていく。その意味で、ロジカルシンキング論理的思考とは別なものだ。論理的思考はつきつめることによって、結論は一つに帰結する。

 

オレンジが13個ある。これを3人で分けるには? 思いつく限りの方法を書いてみよう。

 

あるカーブは魔のカーブと呼ばれていた。事故が多発していたからだ。見通しはよい。ガードレール、センターラインもきちんと入った普通の道路であった。だがある方法で事故は激減した。どうしただろう。(論理的思考なら、道幅を広くしたとか、カーブミラーを設置したとか、警察官を置いたとなるだろうがいずれも違います)

 

解答編

1 ①オレンジを4個ずつわけ、のこりを3分の1等分した②はかりを使って同じ重量にするようにした ここまでは論理的思考 水平思考では、③オレンジジュースにして分配した④たねを植え、オレンジを実らせて収穫し、分配した。などがある。

2 要は速度を落とさせればよい。ガードレールをとり、センターラインを消した。危ないと思ったドライバーが速度を落とした。


ラテラルシンキングのメリットは自由な発想により、時間とお金と労力を省けることだと実感できたでしょう。なるべく楽をして成果を手に入れるワケです。

 

ラテラルシンキングでは、「不必要な設定条件=常識の枠」をはずして考えて見ることがものすごく重要になる。みかんの例でいうと「今すぐ分配せよ」とは一言も書かれていない。たねからみかんの木を育てて、それを分配するという投資家のような選択肢もありになる。不必要な設定条件をはずして自由に考えるためには、「結局何が達成されればよいか」という本質をつきつめること。「要は〜すればよい」というのがそれ。代替方法がないかどうかどんどん自由に考えるのだ。これがコツ。例えば自動車王のヘンリーフォード。馬車が全盛の時代でこう考えた。速い馬車が求められている→本質(要は速さがあればよい)→だったら馬車じゃなくてもよいのじゃないか? このように常識枠(メンタルブロック)を崩して考えることがとても大切だ。

 

現代社会では答えがないさまざまな問題にぶつかる。ビジネスマンであれ、公務員であれ、研修者であれ、問題に直面したら、まずは水平思考で考え、ある程度解決法が見いだせたら、それが実施できるかどうか、論理的思考で煮詰めていく。結局の所採用できる案はひとつである。

 

ラテラルシンキングをやさしく解説した本

「ずるい考え方」ゼロから始めるラテラルシンキング入門 あさ出版 木村尚義 はおすすめ。とくにCrownの2をこれから採用しようとしている先生方はLesson 4の前に一読の価値があると思う。

前のエントリーでも書きましたが、文法教育についてラテラルシンキングをあてはめてみると、文法指導の本質は「教え込んだ知識はすぐ忘れ去られる。生徒自身が気がついたことは獲得されやすい。気付くための十分なトレーニングを配置する」すると、教えることの中心は「知識の伝達」に時間を割くよりも、必要なトレーニングを必要な順番通りに与え、自分で気付かせるよう仕向けること、その結果自分で操作できるようにすることであることがわかります。教材会社で残念ながらそのような教材を出しているところがありません。せいぜいひとつの項目について2〜3問がせいぜいです。どこまで網羅するかという問題と文法に使える時間の制約の問題がありますが、実際の英語では使われないものは思いっきりOptionに回し、重要なところはパターンプラクティスさせる工夫が必要ではないでしょうか。


 

 

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2009年10月18日 (日)

0229- 091018 学習は入力より出力の回数を増やす

勉強は教科書を復習するより問題を解くほうが効果的だ──。そんな論文が『サイエンス』誌の2008年2月15日号で報告された。米パデュー大学のカーピック博士の研究だ。より専門的に説明すれば「入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが、脳回路への情報の定着がよい」ということになる。カーピック博士はよく練られた実験デザインを活用して、この面白い事実を発見した。実験内容は次の通りだ。

 ワシントン大学の学生を多数集めて、スワヒリ語40個を暗記する試験を行う。学生たちを4つのグループに分けて学習してもらった。
省略

 全員が40個すべてを覚えることができた。そこでカーピック博士は、1週間後に再テストを行うことにした。さて、成績はどうだったか。グループ1と2は約80点と好成績であったのに対し、グループ3と4はともに約35点しか取れなかった。

 *グループ1と2に共通するプロセスは何かといえば、確認テストで40個すべてをテストしながら覚えたという点である。一方、グループ3を見てみると、学習は毎回40個について行っているが、確認テスト、つまり思い出す練習は、苦手な単語に対してのみ行った。

  *グループ1は
   (1)40個全部覚え(入力)
   (2)40個全部テスト(出力)
   (3)覚えてないもの、覚えているもの問わず
  40個テストをできるまでくり返す。

    グループ2は
   (3)のところで、覚えていない単語だけ覚え
  直したがテストは40個全部行った。
         
 つまり、私たちの脳は、情報を何度も入れ込む(学習する)よりも、その情報を何度も使ってみる(想起する)ことで、長期間安定して情報を保存することができるのだ。

 言うなればこれは、参考書を繰り返し丁寧に読むより、問題集を繰り返しやるほうが、効果的な学習が期待できるというわけだ。営業職のビジネスパーソンなら、自社製品の技術資料を繰り返し読むより、顧客先で何回もプレゼンテーションをこなす方が、製品の情報がよく頭に入るということだろうか。

 入力よりも出力を重視 ── 脳はそうデザインされているらしい。  (日経アソシエonline)
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20080402/152046/
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これを見ていて木村達哉先生のお話を思い出した。曰く、定期考査のときまでには生徒は学習をマスターし終えているようにする。当たり前のように聞こえるかも知れないが、大変なことである。木村先生は、間断なく、課題のプリントと小テストをくり返すことでこのことを達成している。そうなのだ。大事なのは、理解が終わったあと(理解のさせ方も重要であるがここではふれない)で、授業中、または、家庭で生徒に出力させる保証を教師がすることである。できるまでつきあうという意味では根気と時間も必要であろう。(テストは再テストをして出力回数を増やすことが前提であるとこの実験は語っている。)小テストはばかにできないどころか、知識の定着にはなくてはならないものである。また、小テスト数回分+課題数回分ごとに統一テストと称して1度テストを行い、統一テスト数回分の範囲が定期考査や学力テスト範囲であるべきだと考える。これは何を示唆するかと言うと、同じ文法項目、構文項目で、単語などを入れ替えた問題を複数用意しておき、どんどん問題を解かせるのが良いということになる。そしてその問題はどう確保するのか?大学入試問題研究や模試などからストックしていく。誰が?その学校にいる英語教員全員が協力してである。文法や構文などは決まり切っているから問題のストック、教材化はしやすいはずだ。教材の共同開発、共有こそ人間のリソースを最大に活用する方法だと思う。

話はずれるが、ユメタンは英語での出力をとことんくり返させる。出力を重視すべしというカーピック博士の実験結果にもあう。会話や英作文に使えるようにするということを考えればは日→英で出力というのは妥当であろう。(ただ英文がわかればいいという人には too muchかもしれない) 

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