基本形はPREP
基本的に求められていることはシンプルです。PREPの形で話をすればいいんです。Pとはポイント(主張)。Rは理由。Eは例やデータあるいは専門家の意見。Pは(再主張)。
「電子辞書がいいか、紙の辞書がいいか」というテーマで、PREP形式についてはこちらに2013年に記事を書いてますのでご笑覧下さい。
EがRと勘違いしている生徒への指導
さて、ここで実は問題が生じます。生徒は「R:理由」がうまく作り出せないのです。なぜなら理由は抽象度が高いため。一方、具体的な事実はすぐに思いつきます。たとえば、「スティーブジョブズは偉大だ」というプレゼンをするとしましょう。多くの人が「iPhoneを作ったから」という「R:理由」をあげます。でもこれは本当は「E:事実」なんです。PREPでいうなら Eの部分。Rではないんです。ではどうやってEからRを思いつけばいいか。これは「だから何?」と生徒に発問すればいいんです。すると「iPhoneは生活の仕方を便利に変えた」「コミュニケーションの在り方を変えた」などと答えがでてきます。この少し抽象的なものがR(理由)です。
もうひとつ例をあげましょう。「日本の春はすばらしい」ということを述べるために「理由」をあげさせると、「花や桜がきれいだから。」と生徒は言います。でもこれも「E:事実・具体例」です。そこで講師は「だから何?」と言うのでしたね。**「日本の景色が春にはものすごく美しくなり、気分がうきうきする」がR:理由となります。具体例として、どの場所の桜が綺麗か、何万人の人が桜を求めて訪れるかなど固有名詞や数字を入れるとEがさらに強固となり、RとEとでPを強力に支えることになります。これがロジックです。
**気をつけたい点が1点。日本社会では、理由として「花がきれいだから」でいいでしょという同調圧力が働きます。データ等を出し始めると「なんなのあの人」となりがちです。(笑)こういうことになれていない中学生の最初のうちは、「花が綺麗だから」でよしとし、中学3年生あたりでじょじょにRとEの書き分けを指導し、高校2〜3年生は数字的なデータ等も出していくという発達段階に応じた指導も必要になってくるかと思います。肝心の英検は「花が綺麗だから。桜やいろいろな花が楽しめる」の2文が言えて書ければ合格にぐっと近づくとは思いますが、そこから先のことも指導者は考えておきたいところです。
生徒がEを先に思いついた場合、教師はRを思いつけるように、「だから何」という質問をしなければなりません。なれてきたら生徒自身に「だから何?」という質問をさせるといいですね。
そもそも適切なRが思いつかい場合の指導
次にそもそも生徒がRが思いつかない場合どうするかに話しを絞りましょう。Rは無限にあると思うでしょうが、そもそもRは限られているんです。以下のようないくつかの観点から選んで書けばいいんです。
1)安全か危険か
2)健康によいか悪いか
3)お金がかからないかかかるか
4)環境に良いか悪いか
5)学習に効果的か、そうでないか
6)人間関係をよくするか、しないか(促進するかしないか)
7)清潔か、汚いか
8)静かか、うるさいか(にぎやかというプラスの面もあります)
9)人気があるかないか
10)人に役立つか、役立たないか
11)効率がいいか、悪いか(時間や労力がかからない)
12)リラックスするか、いらいらするか
13) 人道的に正しいか正しくないか
これらは、人類にとって普遍的な価値観とも言え、誰が聞いても理由としてはっきりします。場合によりふやしてもいいでしょう。自分でカスタマイズできるということを生徒に伝えましょう。これらをいくつかの英語表現とともに生徒に覚えさせる。 例えば、1)なら It's dangerous for elementary school children to use smartphones. They might be involved in crimes.など。 2)であれば It makes you healthy. などです。どうでしょうか。いくつかの型をもつだけでぐっと理由が探しやすくなりますよね。
Rが思いついてもEが思いつかない場合は
「日本の春はすばらしい」のように生徒にとって身近なテーマの場合は、RもEも比較的思いつきやすいでしょう。でも、話しが抽象的なテーマなら、具体例を思いつくのにも苦労します。でもこれも解決は簡単。 2回 whyを繰り返せばいいだけです。例えば、P Smoking should be banned. (なぜ?)R It is not good for your health. (なぜ?)E: It contains a lot of harmful substances. They cause a lot of serious diseases. とつなげることができます。
Eを思いつきたい場合の役に立つアイテムは Whyを2回くり返すこと。シンプルですよね。
今日からやってみましょう。
ブレインストーミングで、いろいろな意見がでてきた場合のまとめ方。「日本の秋はすばらしい」というテーマの場合、理由として「栗がおいしい、柿がおいしい、モミジがきれい。青い空がきれいなどいろいろでてきます。これを教師は整理する方法を教えなければいけません。
これを上位概念、下位概念で整理します。
栗や、柿は(上位概念:秋は食べ物がものすごくおいしくなる)でまとめ、その下位概念として栗や、柿をぶらさげるわけです。
モミジや空は(上位概念:日本は秋の景色が美しい)にまとめ、その下位概念としてモミジや空の例をぶらさげるわけです。クラゲチャートというのがありますが、まさにあのイメージ。
このような整理の仕方も合わせて指導したいところです。
最後に、どんなにすごいExampleでもReasonをサポートしないものはぬきましょう。同じく、どんなによく思えるReasonでもPointをサポートしないなら抜きましょう。生徒は文の結束性を無視してなんでもいれてしまうことがあります。センター試験の、どれがいらない文?と言うタスクは案外使えるんです。 ポイントとして、よっぽどのことがない限り、読み手の予想を裏切らないように書くのがとても大切だということです。P Smoking should be banned. (なぜ?)R It is not good for your health. (なぜ?)E: It contains a lot of harmful substances. They cause a lot of serious diseases.は読み手の予想通りに情報の出し方になっています。さらに言うと、ことなる理由や具体例を1つのパラグラフになるべく入れないようにした方がいいと思います。ちゃんと2つめの別のRーEのラインを意識して書かせる。このためには2つの別のR−Eをごちゃまぜにしておき、それぞれ整理させるタスクが考えられます。それぞれのラインは当然Pをサポートするものでなくてはならないのは言うまでもありません。そうでないなら排除します。こうやって抽象ー具体のラインを整理することで文の結束性(まとまり)を生みます。
P.S. 生徒の日本語での知的レベルは英語で表現できるよりはるかに上なので難しい表現を使いたがります。でもこれはアウト。よく生徒に話すのは「小学校2年生に話すつもりで説明してごらん」です。「ウオルトディズニーの業績」といいたいのに書けない場合、辞書で調べる方法もありますが、やさしく言い換える方法もあります。What Walt Disney Did でもいいんです。人によってはこれを「和文和訳」と呼んでいます。ただし、和文和訳したところで、基本例文や、イディオムが頭になければ書けないのは言うまでもないことです。こういうことは徹底したい。戻りますが、(業績)achievementが書けなくとも、やさしい言い方で言えるように英英定義にもこだわらせたいところです。新出単語を英英定義,例文、(プラスイラスト)で説明し、意味をあてさせることからとりいれることもできますね。
***英検だけにとらわれて、E-mailの文の書き方や、ディスクリプション、何かの紹介などやらせないのはよくありません。英検Firstではありません。教員も生徒も民間試験に とらわられすぎないようにすることはとても大切だということを述べ筆を置きます。
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