0629-190824 使役動詞ふたたび
ずいぶん前の投稿で使役動詞について書きました。でも、案外広まっていないと感じましたのでもう一度書きます。
英語では Causative Verbsと言います。これで検索するといろいろ出てきます。
MAKE = FORCE OR REQUIRE SOMEONE TO TAKE AN ACTION |
Grammatical structure:
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Examples:
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Cognitive Checking Question
Did Billy want to pay for the window he broke?
Did she want to watch the sci-fi shows?
Did the students want to rewrite their papers?
HAVE = GIVE SOMEONE ELSE THE RESPONSIBILITY TO DO SOMETHING |
Grammatical structure:
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Examples of grammatical structure #1:
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要するに、
①makeは嫌がっているのに強制的に何かをさせる。
②haveはやってもらうのが自然というか責任がある場合。例えば、お金を払って雇用関係にあるとか,サービスを受ける関係にあるとか、部活のマネージャー(caretaker)に時間を計ってもらうとかですね。
③letはやりたいと思っていることを自由にさせてあげる。ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」僕はダチョウ倶楽部構文と呼んでます。
ここまではどの先生方でも説明をされますね。でもそのあとが大事なのです。
実は、自分がやるのではなく、他者にやってもらいたい時には、
tell 人 to V ask 人 to V want 人 to V get 人 to V |
のように、to Vを使うのが圧倒的多数。
でも、make, have, letは、to Vでなく、Vの原形。どうしてか。
○ to Vがある時には、「手間/時間がかかるとき」 ○ Vの時には、「手間/時間がかからないとき」 |
一方で、get 人 to V などは、説得して〜してもらう なので、手間や時間がかかっています。
permit 人 to Vも、許可が出るまで少し間があく感じ。
force人toVも無理にやらせるけど、抵抗があって、苦戦している感じ。
だから to Vが必要になるのです。
makeは嫌がっているのを問答無用にさせるわけなので、タイムラグなし。
haveも、やってもらって当然な感じなので、タイムラグなし。
letは、そもそも相手がやりたがっているのをさせてあげるのだからタイムラグなし。
だから toがいらないのです。
ちなみに17世紀ぐらいまでは makeも to Vのパターンでしたが、だんだん toなしになってきたという経緯があります。
受け身にすると、もともとあった to が顔を出すのですね。
僕は、「動詞と動詞のごっつんこを防ぐ、クッションの to 」と教えています。下の文ではwas madeとwatchがとなり同士になることをtoが防いでますね。
She was made ... to watch every episode of the sci-fi show.
新しい文法項目を導入する場合は、それだけでは「理解が表層だけ」になりがちです。必ず既習事項(ここでは toVを使うパタン)と比べてあげてください。すると、既習事項と新出の文法事項が頭の中で有機的に連結されるのです。
気をつけないといけないのは、人間以外が主語になった、無生物主語+make+人+Vのパターンの場合です。この場合、makeには「むりやりやらせる」という強制感はなくなります。無生物の主語の部分が原因、それ以降が「結果」を表す文になるのです。
無生物主語(〜のせいで).............原因 make+人+V(人はVする)...........結果 |
例 The accident made us think of how dangerous nuclear power plants were.
The accident (その事故のせいで)原因
made us / think of / how dangerous nuclear power plants were. (私たちは考えるようになった /いかに原発が危険か)結果
助動詞が動詞につくと、(もし〜すれば)(○は〜するだろう)と意味をとるとよくなります。
This medicine (この薬を飲めば)
will make you feel better. (君は気分がよくなるだろう)
もうひとつ上げておきましょう。
have + something + done のパターンです。 使役:(当然のごとく)〜を.....してもらう 受身:(被害)〜を....されてしまう の意味になります。 |
I had it (my bike) repaired. なら、おそらく「(自転車屋に)自転車を修理してもらった」になります。
I had my bag stolen. なら、「バッグを盗まれてしまった」となります。
*後者はネイティブによっては「盗んでもらったと意味でおかしい」と受け取る人がいるのも確か。
その場合は、My bag was stolen. でOK。
なので、
have + something + done のパターンは使役の意味さえ押さえておくといいかもしれません。
使役:(当然のごとく)〜を.....してもらう
さて、だいじなのは、これらを一度に生徒に教えてはいけないということです。いくつかのブロックに分けて指導すべきでしょう。最終的には生徒が他の生徒に学んだ知識をマップに落とし込んで説明できるととてもよいと思います。もちろん大事なのは理解したあとの練習です。
メカニカルな練習からレスメカニカルな練習に向かうようにしましょう。
メカニカルな練習
1)訳しなさい
After Billy broke the neighbor’s window, his parents made him pay for it.
2)いやがっている(しぶしぶ)のに強制的にさせるという意味にしなさい。
His parents ( made / had ) him pay for the window he broke.
レスメカニカルな練習
1)続きを書きなさい。(私は皿洗いがきらいです)
My panrets made me ....................................
2) 自分のことについて文を書きなさい。
( )made me ( )
実際は 使役のmakeだけでも10〜20個ぐらい練習しないとマスターできないでしょう。定着しないのは、
マスターすると自分にどんな得があるかわかっていない(やる気がない)
変化のある繰り返しが足りないせいです。(圧倒的に練習の分量が足りない) からです。
beとか、Forestとか、高校の現場では文法参考書のworkbookがありますが、定着のためには全く分量が足りていません。あれは、練習した人が、定着を確認してやるべきものです。あの問題を解いたから身につくのであればこんな楽なことはありません。現実はもっと厳しいものです。
時間がないというのなら、大事なところに絞って練習すべきです。教師はカットする勇気を持たねばなりません。
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