2012年7月 5日 (木)

0430- 120704 フレーズリーディング考

長文なのでPDFにしてあります。スラッシュリーディングという言い方でなく、今回はある理由からフレーズリーディングと言い方をかえてあります。実はフレーズリーディングはスラッシュリーディングの弱点を補ってくれます。詳細は次のPDFでどうぞ。

「h24.pdf」をダウンロード

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2008年7月27日 (日)

0151- 080727 スラッシュリーディング 7

スラッシュリーディングの利点と弱点

利点はリスニング、スピーキング、ライティングとすべての力に転用できることです。英語の運用能力全般を高めることができます。これは次のような力をのばすからです。第一にチャンクを意識できること。チャンクは発話やリスニング理解に最低単位と言われています。このつなぎ方やどう並べるのかを学べるのですから悪いはずはありません。第二に、オンラインの処理能力をあげられること。オンライン処理とは、「次々と入ってくる情報を頭(ワーキングメモリー)に一時的に保存し、その内容を解析、さらに入ってくる情報を保持しつつ、以前入ってきて解析されたものとどうつながるのかを解析して意味を決定していくという一連の作業です。」

リーディングのテキストであっても、音声CD(ただしチャンクごとにポーズが入れられているもの)が重要なわけがここにあります。学習者はポーズの時間にオンライン処理の時間がとれるのです。ですからポーズごとに聞こえてきた音声の意味をとっていくことは強制的に前から意味を処理をする過程にさらされることになり、結果的にリーディングの処理速度をさらに速めます。

ここで終わってはだめで、次にはポーズなしのハイスピードの音声を聞きます。すると今度は和訳をしている時間がなくなります。聞こえてきた音声に対し、訳ではなくイメージで対応せざるをえなくなります。これになれると、音声とイメージがダイレクトでつながり、和訳を排除できるようになります(私の経験上)これが速読にもたいへんよい影響を与えます。ただし、CDは単に聞いているより、自分の声に出してみたほうがよりinternalized(地肉化)されます。これは間違いないです。

さらにさらに 1)速音読(できるだけ速いスピードで音読すること)や、2)1.4〜1.8倍速くらいの英語を繰り返し聞くとオンライン処理の能力をさらに高めることができます。1倍速に戻ったとき、余裕で処理できるわけです。これも量を確保してどんどん聞いていると、リスニングの質の変化が起きます。初めて聞く文でも、語彙と背景知識があるものなら聞こえるようになります。

また一文単位の処理時間が短くなることで、ここに使われていたワーキングメモリーが解放され、文脈の保持、内容の推測、パラグラフ展開の理解等より高次な作業を行えるようになります。ボトムアップの力を研ぎすますと、つまり一文一文を速く読めるとトップダウンを行う余裕が初めてでてくるわけです。

では弱点はあるでしょうか?

実は弱点はありません。「利点が異なる」だけなのです。スラッシュリーディングで一文一文のボトムアップ理解が自動化されると、どこかが主張で、どこがデータかを見抜くトップダウン処理を行うための余裕(ワーキングメモリのパワーがトップダウン処理にふりわけられるようになる)が格段にでてきます。要約問題などに対処するにはどこが主張で、どこがデータかという読解の仕方は別に学ぶ必要があります。もっとも、これができるようになる前提(必要)条件として、スラッシュリーディングがあるのですから、どちらか一方が重要なのではなく、結局相互補完関係にあると言うことです。

その一方、構造が複雑な初見の文は、また別の読み方も求められます。国公立の2次の下線部和訳問題には、文の最後まで視線をさっと送って初めて気づくような複雑な仕組みの文がでるということです。例えば節が何重にもでてくるような、構造が複雑な場合や、重要な要素と要素が離れているところに置かれている場合は、前から順送りにチャンクごとに意味をとるやりかたをやめ、ピリオドまでいったん目を通してから訳の方針をたてざるを得ません。これは伝統的な英文解釈の力がないと対応できないということになります。そうはいっても、このような読み方ばかりに慣れてしまってもダメです。「きわめてゆっくりとしか読めないこの読み方」では、仕事というか、スピードが求められるコミュニケーションには使えません。このような文であっても、その後しっかり練習して、結局前から意味をとれるようにしていくことが大事です。こういう文もネイティブは前から意味をとっているわけで、最終的にはこのような文も前からスラッシュリーディングできないといけません。リスニングやライティングにも使えるよう、一歩一歩乗り越えて行くわけです。

つまりすぐれた読み手にとってスラッシュリーディングは なくてはならないもので、リスニング、スピーキング、ライティング、リーディングの力を伸ばすために mustである非常に重要な技法であり、伝統的な英文解釈法よりも10倍以上重要度は上であることは間違いありません! ただ、筆者の意図を読み解く方法論は1つだけより、多いほどよいと思います。場合に応じて使い分けるわけです。(メタ認知の観点から)


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2007年8月17日 (金)

スラッシュリーディング6

今回は「判断の保留」を前回の「修正」にからめて話をしていきたいと思います。

まず単語レベルから。多義語のplayを使って。

He played.... playedはどんな意味でしょうか。

答え:わからないが答えです。

He played tennis.ならどうでしょう? 「した」ですよね。では、
He played the piano. ならどうでしょう?「弾いた」ですよね。

つまり、playedの意味はうしろまで読まないと決定できなかったわけです。うしろのしかるべき語句にあたるまでplayed の意味は「保留になります」tennisや、the pianoまで読んで初めて意味が決まります。

次に句のレベルではどうでしょうか。

文頭の Studying English .... この意味はわかるでしょうか?

答え:わからないが答えです。

文頭にくるVingはまず
1)カンマをさがします。カンマがあれば、分詞構文「して、しながら、時、ので、もし、そして」です。
2)カンマがなく、「〜している○○」 と意味がとれれば、分詞です。
3)それでだめなら動名詞で「〜すること」になります。

Studying English, you will be able to communicate with quite a few people around the world.ならどういう意味になるでしょうか。いきなり訳せませんよね。「英語を勉強する」ぐらいで一たん保留にしてカンマを探します。ありますよね。分詞構文です。でもこれでも意味は決まりません。分詞構文は分詞構文以外の文の意味がわかってはじめて意味が決定されるのですから」

うしろの文の意味は「あなたは世界中の人と意思疎通ができるようになるだろう」ですから、分詞構文は「英語を勉強すれば」になります。

このことは文型にもいえますよね。
I found the Internet....で、foundの意味は何でしょうか? 一時、「私はインターネットをみつけた」と訳してもかまいません。しかし、usefulがつづくと、「the Internet = usefulだと気づいた」と意味を修正しなくてはならないわけです。欧米人も基本的にはこのような頭の働かせ方で、推測→判断→修正をくり返しています。これでいいのです。

そしてこの「推測→判断→修正」は、2つのタイプがあります。
1)前からスラッシュごとにつつこみを入れて、次の語句の意味を決定する。
2)うしろまで読み、前にでてきた、あいまいな語句の意味の決定をする。

 そして2)のタイプは未知語の推測にも利用可能です。そしてパラグラフリーディングでも役立ちます。英文の構成としては、抽象的なトピックセンテンスのあとに、具体例が出てきます。するとトピックセンテンスがわかりづらくても、結局何をいいたいか、うしろまで読むことで理解できることが起こってきます。

英文解釈の問題点のほとんどは、1)2)の考え方を導入することで自力で解決できるようになると思います。つまり、「文頭のVingの判断方法」のような自力で読めるようにさせる教師独自の読解ルールをいくつか(十数個)決めておきます。あとは長文問題や教科書でそのルールを徹底させていけばいいのです。「このレッスンではこのルールを徹底させよう。次のレッスンではto Vがポイントだから、その判断方法を徹底させよう。(読解がメインであれば)」それでいいと思います。最初に教え込みたいこと・ルールが先にあり、教科書のどこにそのルール、教えたいことがでてきているかチェックし、教科書上に落とし込んでいきます。授業の終わりに、またレッスンの終わりに私たち教師が何を生徒の頭に残したいか。何をできるようにさせたいか。それをはっきりさせてから、指導のやりかたが決まります。指導方法については様々なやり方を知っている必要があります。それは自腹を切った研修、実践でしか身に付かないと思います。



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2006年11月27日 (月)

スラッシュリーディング5

さてスラッシュリーディングも5回目。予想と修正の話をしたい。

スラッシュを切ったところで,私たちはやることがあるのだ。そう,次の語句の予想である。The boyと来たら,次はどんな少年かその説明がくると予想していなくては速く読めるようにはならない。スラッシュのところで「どんな?」と頭の中でつっこみを入れるのである。そこに,playing soccerとくれば,サッカーをしている(少年)だなと簡単に判断できる。こうなると予想があたったわけで,次にいける。

ところが,予想を裏切られることもある。
   1)She made me「彼女は僕を作った?」 a sweater.「セーター?」 
   2)あっ!「彼女は僕に作った」「セーターを」だ!
こんな時はあわてず2)のように修正すればいいのだ。

英文を読む(聴く)というのは常に
   1)予想→OK→次へ
   2)予想→だめ→修正→OK→次へ

のどちらかのプロセスを踏む。このプロセスは
   ○1語単位でも行われるし,(例)lifeの意味 
   ○語句単位でも行われるし,(例)playing soccer の意味  
   ○文単位でも行われるし, (例)makeがとる文型は?
   ○パラグラフ単位     (例)筆者の主張は? でも行われるモノだ。

英文を読むと言うことは常に予想と判断,必要に応じて修正を行う必要があるということなのだ。そしてそのためにはスラッシュで,適切なつっこみを入れた方が次の語句の意味がスムーズに推測できるのだ。
   例 I am happy(どうして?)to meet you. (あなたにあえて)

この「適正な予測」のためには読みこむことが必要。読むほどに「経験値」があがり,予測が「あたる」可能性を高めることができる。もちろん,中3から高1レベルの文法力と語彙力はあった方がよい。判断の指標があれば,あてずっぽうの推測をずいぶん減らすことができるからだ。(スラッシュリーディングは中3から高1程度で導入するのが妥当かもしれない。)

 

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2006年11月26日 (日)

スラッシュリーディング4

スラッシュリーディングは形容詞句,副詞句,名詞句,(節)の指導とからめてするべきであると スラッシュリーディング2で述べた。理由は生徒が最も混乱するところであるからだ。この混乱をさけるために,形容詞句,副詞句,名詞句と言った考えを導入するところから1年の授業は始める。

(発問)in my pocket これはどういう意味?
(生徒)「ポケットの中の」です。 以後数人くり返し。
(説明)はずれ。「どれでもない」がこたえです。
    だって「ポケットの中の」かもしれないし「中に」かもしれない。
    このままでは訳は特定されません。
(発問)ではこれは?
    I have a candy / in my pocket.
(生徒)「ポケットの中に」です。
(発問)ではどうやって,「中に」という意味に決定できた?
(生徒)I have a candyと書いてあるから。
(説明)その通り。「前の部分が訳せていて初めて次の語句の意味が決まる」んだ
    「私はキャンディを持っている」だから自然に「ポケットの中に」に
    なるよね。絶対に「ポケットの中の」にはならない。
(発問)じゃさ,in my pocket「ポケットの中に」はどこにかかっている?
(生徒)持っている。
(説明)そうだね。動詞を説明しているね。
(指示)やじるしをin my pocketからhave まで伸ばして書こう。
(説明)これからこういう動詞を説明する語句を副詞句ということにするよ。

(発問)じゃこのin my pocketはなんて訳す?
         The coin / in my pocket / is very old.
(生徒)ポケットの中の。
(発問)なぜそう訳せる?
(生徒)the coinがあるから。
(説明)そうだね。「コイン」とあって,それを説明したいんだよね。
    だから「ポケットの中の」という訳になる。
    名詞を説明する語句をこれから形容詞句ということにするよ。

     ここまでが基本的な説明
(発問)じゃ to study Englishはどういう意味?
(生徒)英語を学ぶために。
(説明)ほんと?ブー。意味は決められないが答え。
    だって,学ぶことかもしれないし,学ぶためのかもしれないよね。
             Iwent to America / to study Englishならどう?
(生徒)英語を学ぶために。
(説明)そう。なぜそういう訳に決定できる?
(生徒)私はアメリカに行っただから。
(発問)そう。前の部分の意味が決まると,to study Englishの意味が初めて決まる
    英語を学ぶためにでいいね。これはどこにかかる?
(生徒)アメリカへ行ったです。
(発問)ちょっと待った,「アメリカへ」にかかるの?「行った」にかかるの?

      →この問いかけはものすごく重要。生徒はこのレベルでつまづく。

(生徒)「行った」にかかります。
(発問)じゃ動詞にかかっているよね。そういう言葉をなんて言った?
(生徒)副詞句です。

       応用編2
(発問)playing soccer はどう訳す?もうひっかかるなよ。
(生徒)訳せないが答えです。
(説明)その通り。前の部分が訳せていないと,役割が決まらないんだったよな。
(発問)じゃ,The boy / playing soccer / in the school ground / is Yoshio.なら?
(生徒)少年。だからどんな少年か説明するから,「サッカーをしている」です。
(発問)そう。じゃ,I like /playing soccer.なら?
(生徒)私は好きだ なので,自動的に,サッカーをすること になります。
(説明)そうだね。「〜すること」というのは名詞の仲間だ。こういう2語以上
    で名詞の働きをするものを名詞句と呼ぶよ。

  以上私の高校1年最初の授業の一部を再現してみた。わたしは授業は「説明,発問,指示(練習)」に分解して考えることにしているので,見にくいと思うが,上記のように表記した。この考え方に関してはまた次回。

  このようなやりとりで前から意味を取っていく重要性に生徒は気づく。そして,スラッシュリーディングをする本当の意味にも気づく。前の部分の意味がとれてはじめて次の語句の役割や意味が決まっていくのである。後ろから訳せと言われている中学生が本当に多いので,「洗脳」のための時間を設ける必要がある。しかし,このレベルの授業なら,本来,中学でもできるのにとつくづく思う。私は,福島県のいわき市にいるが,今後,中学の先生と連携できればと思う。最後に授業で使ったワークシートをアップしておく。


「_h18_.doc」をダウンロード


なお現在,生徒と,名詞句は[     ]  形容詞句は(     )   副詞句は< >で表すと取り決めしてある。節も同様である。

記号を書いている余裕がない場合,生徒がノートにとるとき,また,私が板書する場合はかならず補助の(  )を書かせるようにしている。修飾関係をはっきりさせるためである。

例 I live      / in Fukushima.  
  私は住んでいる   福島に
            (住んでいる)

  People  / in Fukushima  / are very kind  /  to others. 
       人々は  福島の   とても親切だ  他者に対して
         (人々は)          (親切だ)

 

 最後にもう一つ,高校で学ぶ英文は必ずしもシンプルな構造をもっているものとは限らない。そんな場合は返り読みも当然認めているし,私自身もしていることは付け加えて置く。

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2006年11月25日 (土)

スラッシュリーディング3

スラッシュリーディング2

英語リーディングの認知メカニズム(くろしお出版)によるとおもしろい研究が報告されています。私たちの英文の認知は2つの種類の認知によって行われているというモデルの紹介です。1つは左脳を利用した,音韻的理解。これはひとつひと分析しながら理解していく機構。もうひとつは右脳を利用した,視覚的理解。これは全体を通して何を言っているか,とか,比喩表現の理解などが行われているとのこと。そして私たちはどうやらこの2つの機構を同時(どちらかが優位になることはあるにせよ)に利用しながら英文を理解しているのではないかということです。それともう一つ,よく音読をすると,そのスピードに縛られてそれ以上のスピードで理解できなくなるというものがあります。これは音韻的理解機構が優位になるためだと考えられています。世の中には速読の達人もいます。彼らは音韻を理解のために使っていません。視覚から入ってきた情報が,意味とスパーンと直結しているらしいのです。これにより超高速で速読していくことが可能になるとのことです。

ここからは私の私見ですが,スラッシュリーディングはどちらかというと,音韻処理に近いものがあると思います。入ってくる情報をその都度解釈しながら,先に進んでいきます。では,視覚的処理はできないのか?そうとも言えません。十分に理解された英文を,「かなり速度を速くして意図的に聴かせる」とどうなるでしょうか。速すぎて「日本語の訳を頭にうかべることを」まずやめざるを得なくなります。そして「英語と意味を直結して理解・解釈するようになります」または「イメージだけを思い浮かべて理解」するようになっていくと思います。(自分の感覚からこう感じられます。)この状態こそ,訳がいらなくなった,英語と意味がとろとろに解け合った状態です。つまりこういうことです。

分析的に理解した英文に関して,意図的に速くした英文を聴き,視覚的(右脳的,高速)処理を行う。学習に終わりには,速度を速めたまたはナチュラルスピードの英文をくり返し聞かせた方がよい。という結論になります。何かと似ているなーと思ったら,ボトムアップ処理とトップダウン処理という言葉にも例えられるかもしれませんね。

トップダウン処理を行えるようになるには,
1)スラッシュリーディング等でボトムアップ処理を自動的に行えるようにする。
2)理解が終わった英文の高速リスニングをする。

ことかもしれません。

前回は句や節の判断をしながら前からうしろへ意味を取っていく方法について話すと言って終わってしまいました。今回はその続きになります。







スラッシュリーディングで一番の障害になることは実は,生徒が修飾関係をよく考えずスラッシュだけを切ることです。初期の指導では生徒が句や節がどんな働きをしているかよくわかっていない。どこにかかるか考えていないということがよく起きました。今は必ず,形容詞句,副詞句の指導から入るようにしています。


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2006年9月10日 (日)

スラッシュリーディング2

スラッシュリーディングの指導は,まずどこにスラッシュが入るのかから始まります。それは以下の通りです。

 1)前置詞の前
 2)不定詞の前
 3)Vingの前
 4)過去分詞の前

 5)接続詞の前
 6)関係詞の前

 具体的にはどう生徒にスラッシュの位置を発見させるかそのサポート方法が重要です。

 でもこれはカンタン。文の最後に数字をつけておけばよいのです。

   (例)They are children at St. Oliver Plunkett Elementary School in Australia. (2)

 文尾の(2)は「2カ所にスラッシュが入るよ」という印。これを生徒と取り決めしておきます。生徒は上記の1)〜6)までの位置情報と,スラッシュの数情報をもとにスラッシュを切ります。「隣と相談してもいいよ」といい,話し合いさせます。なぜそこで切るのか,理由を説明し合う子もいますし,相手から学ぶこともあるのでそうさせています。時間を決め,その時間が来たら「はいやめ。」そのあと教師が答え合わせをすればいいのです。

 They are children / at St. Oliver Plunkett Elementary School / in Australia. (2)

 次の段階は予習をさせてきて,「どこで切ったか隣と確認し,発表しなさい」といって生徒に発表させてもいいでしょう。これは生徒の習熟度次第で調整できます。

 スラッシュの数ですが,生徒がなれるまではなるべく短い単位で切ってあげたほうがいいでしょう。最初は教師のコントロールを強くかけます。ルールを守らせます。

 生徒がなれたら「切る間隔を徐々に長くしていってもいいよ。」と指導します。「英文を読みながら,スラッシュの位置情報をもとに自分が必要と思ったところにスラッシュを入れなさい。」教師のコントロールを徐々にゆるやかにしてあげるわけです。

 スラッシュ切りの最終段階は「初見の文に対し,スラッシュをなるべく長い間隔で自力で切れるようにし,前から意味がとっていけること。」いつまでも教師のヘルプがないとできないようでは困ります。このためには,週末課題や,学期に何度か投げ込み教材を使って自力でスラッシュを切って読ませる訓練が欠かせません。

 ただしスラッシュの指導はあわせて名詞句,形容詞句,副詞句,節の指導を行わないと生徒は混乱します。僕は「句」や「節」は「カタマリ」と表現していますが,この「カタマリ」を見つけ出す方法と,それがどんな働きをしているか読みながら判断する方法,この2点が「みそ」といってもいいでしょう。これは次回。

 

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スラッシュリーディング

今時スラッシュリーディングへ批判的な方がいる。曰く「スラッシュの位置など生徒はわからないし,わかっていたらその生徒はもう相当な力がある」という批判だ。なんと「愚かな」と思う。こういう人でもスラッシュリーディングの効用は一応認めているものだ。しかし,指導上実用的でないというのである。悪いところは工夫し,良いところは残せばいいではないか。 工夫というものを全くしない教師の典型である。ではどうするか。
最初からスラッシュ入りの教材を使う。スラッシュの入る場所を学ばせる。そういう教材を何本か頭に入れた後,スラッシュがついていないものを自力でスラッシュをつけて読ませる。スラッシュ入りの教材を覚える中で前から意味を処理する方法を学ぶ必要もあるだろう。
 
学力が上がるにつれてだんだんスラッシュをいれる間隔は長くなっていく。しかし完全にはなくならない。心理言語学や認知言語学などの分野では,チャンク(句)ごとに言語処理していることがだんだん明らかになりつつある
 
読解には私たちはワーキングメモリーを使っている。ワーキングメモリーの処理量には制限があり,1)文字の音声化と2)チャンクを切ること(文法)に手一杯だと,内容の保持まで手が回らなくなる。読んだはいいがすぐ前に書かれてあることを思い出せないというのはこれにあたる。しかし,文字の音声化とか,文法など下位の技能がある程度自動化されると,そこに振り向けられていたパワーが内容の予測(anticipation)や,予測の訂正処理された意味の保持(Retention)といったより高度な作業にワーキングメモリのパワーが使われる。
 
音読が大切な理由は,文字を音声化する作業の自動化を促進することにある。すると限りあるワーキングメモリーのリソース(資源)を解放してあげられる。また意味は音と結びついているため,文字を見て音声がすばやく想起できるとその分速く意味にもアクセスできるようになるのだ。
 
スラッシュもどこに入れるべきかまず入れる場所を帰納的に学習し,あとはスラッシュ入りの教材を使うことでそれを確認していく。さらには自力でスラッシュを入れる活動を通してさらにその作業を自動化できるようにする。スラッシュを入れることを意識しているうちはワーキングメモリのリソースをそのために取られ,予測,訂正,決定,保持といったより高次の読解処理活動を行えないわけだ。
      
         

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