英語指導法

2022年7月24日 (日)

英語教師の心得ーBritish Columbia Universityの研修から

授業のポイント カナダ研修 2014 7−8月

2014年の夏に、文部科学省の海外派遣事業で、カナダ、ブリティッシュコロンビア大学でESLを学ばせていただきました。
そこで学んだものを下に書いておきます。


○ Students must be the center of the learning.
  教員が話しすぎるのはだめ。生徒が学習の中心。

  →逆をすれば良い。生徒にポイントを説明させてみる。

○ Instructions should be as concrete and clear as possible.
  指示は可能か限り具体的に。

  指示の4原則  
  →誰とやるのか。自分1人でやるのかがわかる。
  →何が具体的にできればいいのか。実際にやってみせる。
  →何分でできればいいのかがわかる。

  →以上の3つを教師が言った後、生徒にも言わせてみる。

○ If you set some tasks, you should tell your students the time
 for the work is limited.
  タスクを課したら、何分でやるのかリミットを伝える。
  
  →締め切りがわかり、限定されると頭が動き出す。


○ You should explain to them what they have to do before
 you break class into groups.
  指示はグループに分ける前に行う。

  →指示するときは、
   ○お腹をこちらに向けなさい。
   ○ペンを置きなさい。 
     と指示を出して、生徒が実際にそうさせる。


○ You should let your students learn some useful strategies
 to accomplish the task.
  コツ・方法など体系的なuseful strategiesを教える。

  例:Strategy 1. 抽象と具体.  [どちらが具体?]    
            He is very smart.
      He can solve difficult math problems quickly.
           
           Strategy 2. 「抽象」でてきた語彙が解らずとも
          「具体」から予想が可能となる。
                               smartの意味が具体から予想可能。

    Strategy 3 「抽象」になる場合、形容詞、助動詞が多い。
     He is very [smart].
              This [ must ] be a very useful strategy.
      
           Strategy 3. 固有名詞、数字が出てくるとSpecificが多い。

 
○ You should give your students the tasks they can finish
 only if they use certain kind of strategies or expressions.
        今何を練習させているかをはっきり伝える。
   そのために特定のstrategiesや表現を使わせる。

  →練習のフェーズでは、
    ○メカニカルな練習
    ○レスメカニカルな練習
    ○フリーの練習が必要
      上2つの練習であれば、ターゲットセンテンスを
      繰り返し反復して使わせる必要がある。
      最後のタスクでは、必ずしもターゲットの文を
      使わせなくても良い。

     今、生徒の文法がめちゃくちゃになっている理由は、
     上2つの練習が足りないから。

○ Give your students pre-tasks to make the main tasks
 easier.
   本タスクが難しければ、いくつかのpre-tasksに分解して
   やらせることが必要。

   時間がかかりすぎている場合は、難し過ぎるから。

     ①指示が十分に通っていないか

     ②必要な知識、スキルが揃っていない場合

      が考えられる。

      事前に生徒に指示内容を言わせたり
      プレタスクを行い
知識やスキルを積み上げる。


○ You should show your students goals and ways of
 assessment of today’s class.
   生徒にゴールと評価方法について伝えること

  →これが授業で最も重要で難しいところ。
   assessmentの方法を最初に決めておき、生徒に伝え、
   生徒が自分でモニターできるようにしておくこと。

  


○ The basic rules for Cooperative learning are ;
  Students sit face to face.
  Every student have his/her own job.
  Group members have to cooperate each other to finish
  the given tasks.
  Only one person should not dominate the group too much.
  協働学習のポイントは
   ・向かい合って座る
   ・各々がやるべき仕事を持っている
   ・全員で協力してタスクを完成させること
   ・1人だけがグループを支配しすぎ(発言しすぎ)てはならない
   
   →最後の3つは特に重要。

○ 8 to 1 rule; You should give your students eight
 affirmative statements if you give them one negative
 statement.
 It is important to make good rapport with your students.
 ネガティブなことを1ついう前に、8つポジティブなことを
 言って誉めておくべき。ラポートができる前に叱ってはならない。
 

  →叱るのではなく、ルールにあっていないから困ることを述べる。
  クラスルールは最初に決めておくのが肝心である。

○ The jobs of teacher are;

   to show goal and assessment of activities ,
   to teach them some knowledge,
   to show them some strategies,
   to let them display what they learned,
   to organize activities,
   to facilitate them accomplish their tasks,
   to encourage them by giving them affirmative statements,
   to make them do something repeatedly,
   to evaluate them appropriately


  →1番目と最後が最も重要かも。


○ The basic idea for “pair work” is “Think-Pair-Share”.
  ペアワークの根本は個人で考え、ペアで練習、全体にシェア。

  →Think-(pair-pair-pair)-shareでも良い。
   ペアを何人か変えて練習させてもよい。


○ Reading and Writing help your students improve their
 speaking ability.
   Writeしたものしか、Speakできない。
   Writeするには十分Readし体に取り込まないといけない。

  →多読する。書くがスピークの基本を支える。保証する。

○ Encourage them to read as many books as possible
 that are written in easy English.
   やさしい英語で書かれた本をできるだけ多く読ませる。

  →これはとても重要。絵本スタートが良い。
   概念を日本語抜きで掴める。


○ Use English comprehensible for your students in your class.
  理解可能な英語を使う。 

  →必ずしも、指示の英語だけというわけでなく、内容があることで
   理解可能なインプットをする。

  →新出語句が出てきたときは、例 huge
    1)実物や写真をみせる      
    2)いくつか具体例を出す  Pyramid
    3)いい替えをする           very,very big
            4)  ジェスチャーで知らせる

2022年6月20日 (月)

ICQsでぼうっとして話を聞いていない生徒を救う。

教室にはぼうっとして話を聞いてない生徒が一定数いるものです。悪気があるわけではありません。アスペルガーなどそういう特性の子供たちがいるのです。


教育技術の一つとして、Instruction Checking Questionsというものがあります。略してICQsとは、生徒に今指示した内容を繰り返させるものである。教室にいると、別のことをしていて、話を聞いていなかったという生徒は一定以上の割合でいる。かくいう私もそうでした。

自分の興味のあるものにこだわってしまいます。そして、話の移り変わりについていけない。
なので教師が生徒に向け指示を出す際は、必ず鉛筆を置かせて、おへそをこちらに向けさせ、顔を上げておくよう指示しておかねばならないです。

その上で、「◉◉しましょう。何分あげます。ペアでやりなさい。」 この指示の後に、「次に何をするのだっけ? 何分でやるの? 何ができればいいの? 誰とやるの? 何を使ってやるの?」2回目は生徒自身に言わせるのです。こういう整理をしてあげるのを ICQsと言います。これは効きます。お試しあれ。

1)鉛筆をおきなさい。

2)こちらに体を向け、顔を上げましょう。

<指示>(できれば完成形をやってみせる)

3)何ができればいいですか?

4)何分で誰とやればいいですか?

2021年1月 4日 (月)

0666-210103 母音ひとつで一拍 シラブルと音声変化について


中学生の頃、ゴダイゴの The Galaxy express 999 will take you on a journey, an never ending journey, a journey to the stars. これが歌いたくて、でもどうしても拍がずれて歌えませんでした。歳がバレますね。

考えてみればシラブルの概念と、音声変化のルールを何も知らなかったわけです。一つのコンソナントに一つヴァウエルをつけてしまってました。

今、私は高校ではリズムの法則として簡単に教えてます。母音一つで一拍と。


もちろん例外もありますね。Littleなどは子音もありますが2拍ですし、cameraなど3音節の場合、最初のシラブルに第一アクセントがあると、キャム ラ と2拍に変化します。


でもこのようなルールがあると分かれば、at that time は3拍に収めて発音することがわかります。アッ ザッ タイm ですね。would you は二拍に収めることになるので ウ ジュ。


きちんとした発音は別にして、いわゆるリダクション、アシミレーション、リエゾンの大半は理解してもらえます。


このような練習の後に決まってトップオブザワールドをみなで歌うことにしてます。最近はパプリカ英語版が多いです。メロディが残りやすく、音声変化が多いものですね。歌は最高の練習になります。


自分は幸いなことに合唱部でしたので、音符と音の関係には早くから気づけました。そういうことをできるだけ子供達に教えています。

音読させる前にぜひ母音一つで一拍。コツの指導で変わります。

0667-211004 教えるのがうまいとは何を指すか。

教えるのがうまいとはなにをさすか。

情熱があり、教科や、学習項目のおもしろさを伝えていくことができる。熱を伝えていくことができる。

教える者自体が全体像を分かっている。(深い知識が必要)

全体の中で何が学習者にとって難しくて何がそうでないか理解している。つまづくポイントが分かっているから、「分かったつもり」をふせぐ手立てを持っている。

難しそうな部分はスモールステップにして教えている。これを教えたら次にこれと、活動のつながりが分かっている。

すでに分かっていることを足がかりにして対比するように新しいことを教えている。つまり、個々の知識ではなく、他とのつながりの中で意味づけして教えている。だから分かりやすい。

教える内容を「学習者と関連づけながら」教えている。なぜそれを学ぶのか、分かるとどんなメリットがあるか、考える機会を持たせている。自分と何の関連もないものを覚えたいとは思わないだろう。

発問することが多い。個人、ペア、グループで課題を解くように指示している。つまり学習者が主体になって頭をアクティブする発問をすることができる。発問によって学習者が持っている知識をゆさぶることができる。

単に練習をさせるだけでなく、競争しながら、飽きないようにうまく繰り返しをさせている。[変化のあるくりかえし]

いろいろな場面に分解して、その場面ごとコツがわかっている。コツを習得させるためのいろいろな練習法を深く理解し、活用することができる。

適切に生徒をモニターし、温かい言葉とともにフィードバックできる。

指示を出す時、趣旨を説明している。また、なるべく短くシンプルな指示を出している。そして指示内容を学習者自身に必ず確認させている。たとえば、「何ができればいいですか。何分でやりますか。個人でやる?ペアでやる? 終わったペアは何をしますか?」これを Instruction Checking Questionsと言います。

絵や図を使って理解させようとしている。言葉だけでなく。

ペアワークやグループワークのつかいどころを分かっている。競争や、協働で活動させる術を持っている。

教えるのが下手な人はこの逆か、またはやっていない人と言えます。実はこういったことは、OJTだったり、自腹で研修会にでないと身につきません。トライアンドエラーです。

2021年1月 2日 (土)

0661-210102 and をばかにしない指導 伊藤和夫先生


本日の課外。解釈力の低い生徒の弱点ポイント。

節のあとにandがでてくる文。


Most people feel uncomfortable when telling a lie and send signals about their lies through their body languages.

この文の解釈のポイントは、when..の支配領域がどこまでか。andはsendと何をつないでいるかというところ。


解釈力が低い生徒はwhen....の支配の範囲(いわゆるMの挿入)とandがつなぐものこの2つがからむと、とたんに読めなくなる。「whenからlanguagesまでがカタマリ」などとしてしまう。英文解釈の急所のひとつだ。自分はというと、高校時代は全部「そして」ですませていたので、生徒のことは言えない。


andは文法的にひとしいものしかつなげないということをしっかり練習したい。and がつなぐものはsendとfeel. sendは品詞的にも形的にも feelとしかつなげない。ここをおさえておくと、初見の文を読んでも分かるようになる。学力の「転化」が起きると思う。


理解ができたらすかさずやらせてみる。

We can use light to see very small things that make us sick and to study distant stars.


to seeの前でスラッシュを切ることは当然として、

発問しながら導く。

andが何と何をつないでいる?
andの直後に注目だよ。

to studyという不定詞と to seeという不定詞がつながるね。


thatのうしろが不完全文だから関係代名詞節ということもおさえつつ、光を使うのはまずなんのため?2つあるよと発問。


理解できたあとは

1)「和訳から英語に直させるために」音読させたい。

2)「意味やイメージを保持した状態で」音読させたい。

  最初の文なら、目がきょどっている状態を思い浮かべて音読できるかだし、2つめの文なら、顕微鏡と望遠鏡を使っている様子を思い浮かべながら音読できるかが大事になってくる。ある意味和訳を忘れさせて意味だけ、イメージだけ残すための音読となる。これだと高速処理できる。ただその前には自力で読解し、訳が言えないといけない。それができてから音読を通して訳を忘れ、英文をイメージ化する作業に入る。こういう文が増えると、和訳しなくともイメージが浮かぶようになる。

 解釈のまま終わるとスピードが遅すぎで使い物にならないので、音読をさせるのだが、漫然と音読しても意味がない。時間は常にないけど、できれば一文でいいからリバース訳までさせたい。

2021年1月 1日 (金)

0660-210101 クラスルームイングリッシュ考

クラスルームイングリッシュは基本は中1、高1からできないとなかなか浸透しないのが現状です。鉄は熱いうちにうてですね。

さまざまな能力の生徒が混在し、40人の生徒を相手に指導する中高の現場です。英語の能力がそれほど高くない場合TPRで、スモールステップで段階的に導入するのが最もやさしい導入方法かなと考えます。



TPR (トータルフィジカルレスポンス)
http://activities.eccjr.co.jp/no6/pdf/tpr.pdf


TPRとはトータルフィジカルレスポンスの意味で、教師の指示の通りに実際に生徒に「動いてもらう」やり方です。ただし、単にリスト文で覚えなさいと言っても、その威力を分かっていない生徒に言ってもムダなようが気がします。

実際役立つことを、少しずつ,段階をおって指導する必要があるかと思います。ひとつの表現は、ばらばらに指導するのでなく、前にやったことと連動しているのがよいと考えます。Scaffolding「はしごかけ」の考え方です。

最初は先生がモデルとしてやってみせる。次に生徒にやらせてみる。文字で学ばせるのはそのあとかなと思います。以下に例を示してみます。



□Stand Up.
□Sit down.
□Close your eyes.
□Open your eyes.
□Raise your right hand.
□Raise you left hand.
□Open your textbook.
□Close your textbook.
□Open your eyes.
□Close your eyes.
□Pick up your pencil.
□Put it down.
□Pick up your highligher.
□Put it down.
□Turn around. 
□Turn around again. 
□Face me. 
□Make pairs.
□Face each other. 
□Make groups of six. 
□Move your desk together. 

黒板を使って
□Come to the blackboard.
□Pick up a piece of chalk.
(教師が実際に描いてみせてから)
□Draw a circle.
□Draw a batsu.
□Draw Doraemon.
□Draw a triangle.
□Draw a triangel under the circle.
□Draw a triangle above the circle.
□Write down the word cat.
□Write donw the world dog.
□How do you spell cat? C-A-T
□How do you spell dog? D-O-G
□How do you pronounce the word? (指をさしながら)
□What is the meaning of the word?
□The word "people" has two syllables(音節).
□Put the stress(アクセント) on the first syllable.
□Repeat, Peo/ple.  
□Please put the letters in the right order (正しい順番)
ねこ  TAC →
犬   ODG →
□Please put the words in the right order. 
( like , I , cute, dogs ). 


□Which word is a verb?  ( like )
□Which word is a noun? ( dogs )
□Which word is an adjective?  ( cute )
□Which verb form (動詞の形) is correct?
  I ( went / go ) to the lake yesterday.


□Please underline the word "lake".
□Plase underline the world "yesterday".
□What is the opposite word?
Big - ( sm- )
tall - ( sho- )
□Choose the opposite word from below.
  good ( small, short , bad )


□Match the words to the pictures
 dog ・     ・ (動物のイラスト)
□Odd one out. (仲間はずれを選べ)
( horse, rabbit, bear, cherry )
( doctor, nurse, teacher )
□What is the best topic?
It is good to have a dog as a pet.
 It can work as a guard.
  When someone strange comes, it barks.
 It can remove your stress.
   You can feel relaxed when you play with your dog.


A) You should have a dog as a pet. B) How to feel relaxed
□

How many reasons does the writer suggest ?
□Underline all the reasons. 



□Which sentence comes at the end?
I had a cold. I had high fever. (    ).
A) I enjoyed playing video games all day.
B) I was in my bed all day.
□Which is the best for the blank (空欄)?
I like my dogs, (   ) sometimes playing with him makes me tired.
A) and B) but

□Three-hint Quiz
He is an elementary school boy.
He wants to have a concert, but he is not a good singer.
He often says, " Mine is mine and yours is mine."
Who is he?

つまり、言語を使うにはそれなりの理由やちょっとしたタスクが必要かと思います。理解したり必要と思わせるしかけを作る。教室英語を指導するにしても 上記のように生徒がやる「仕事・動作」をベースにし、前にやったことが生きる形で導入していきたいです。

1つのレッスンでどんな課題を生徒に課したいか、で前もって行う教室英語の導入手順が決まるかもしれませんね。いずれにせよ、少しずつ導入するしかないですね。

英語のリスニング力をあげるには
1)語いの少なさ →増やすしかないです
2)日本語式の発音→英語のリズムや音の化学変化にならしていく
3)リスニングの目的に気づかせる (TPRなどで自然と)
4)前から意味をとることにならす (スラッシュリーディング等で)
5)そもそも読解量が全く足りていない 
6)処理速度が遅い(2倍速ぐらいで音声を聴かせ→その後1倍速)

などが考えられます。でも一朝一夕では改善はしません。進み具合の遅さにときどき絶望したりもします。やったことも忘れるのはしょっちゅう。日々格闘しています。

2019年9月 8日 (日)

英文読解 未熟なオンライン処理、熟達したオンライン処理

過去のエントリー

スラッシュ(フレーズ)リーディング考

http://blue-enzo.cocolog-nifty.com/blog/cat31208123/index.html


文末のピリオドまで読み終えたあとで、文中にある各要素を分けて構造解析をして意味理解するのがオフライン処理(訳読)といい、前から少しずつ情報をインプットすると同時に意味処理していくのがオンライン処理と言う。


オフライン処理(伝統的な訳読)ではピリオドまで読んだ上で次のように1〜5の順のように理解するかもしれない。

I   went   to   Tokyo     last week. 

1     5       4         3              2

 

オンライン処理では次のようになる

I went  .... to Tokyo .... last week.

   1              2                   3                   

私にとって、オンライン処理の定義は、

1)順次カタマリを認識

2)1つめのカタマリを和訳する

3)2つめの語句の予測をたてる

4)予測を確認あるいは修正する
  あたっていたら2つのめのカタマリの訳をする

5)カタマリ同士の関係性(特に修飾関係)を理解する
  以下繰り返し

6)訳ではなく、意味・イメージへ変換すること

未熟なオンライン処理では、上記の1〜6)を順次経るが、十分に熟達している場合、1)から直接6)がつながることが可能となる。これを直読直解と言いたい。さらに熟達してくれば、チャンクの数は減らしていくことが可能だ。

つまりまだ未熟なオンライン処理では、次のようなプロセスを経ると考えられる。

     
私は行った (どこに?) 東京へ  (いつ?)  先週 

            (行った)      (行った)        

この状態ではまだまだ速度は遅い。なぜならば、

A)いちいち次の語句の予測をし、句の修飾関係を確認しながら読んでいる。
B)英語を一度和訳へ変換している。
C)自力でチャンク分けがまだ難しい。

これであると特にスローラーナーのワーキングメモリーはいっぱいいっぱいになり、前に読んだことを覚えていられる保証はない。これがいわゆる未熟なオンライン処理と考える。

しかし未熟とは言え、オンライン処理的には、「on the right track」にいることは間違いない。したがって未熟と言うより、これを「第一段階のオンライン処理」と捉え直し、「より熟達したオンライン処理」に変えていく必要がある。

上記A)とC)は連動している。最初からチャンクにわけられた英文を前から読むことにより、C)は解消される。では自力でチャンク分けできるようになるのかという懸念はあるが、大量に読むことを通じ、解消されていくと考えられる。また、大量にチャンクわけされている英文を読むことにより、A)の次の語句の予測ー確認・修正のトレーニングを大量につむことができるため熟達したオンライン処理へとつながる可能性が高い。

B)については「L2→L1→概念」という理解ルートの中の 和訳、つまりL1のルートを外し、L2→概念へとつなげることで理解のスピードアップ、熟達化が可能となる。

そのための方法としては次の様なステップが考えられる。

⓪段階 講義を聴きながら句や節ごとの役割を前から理解していく。
①段階 英語の音声で句や節の間にポーズを置いたものを聞き、その間和訳や修飾関係を理解する時間をとる。
③段階   少し速めの音声を聴き、和訳せず、イメージを思い描きながら理解していく。

⓪と①のステップが必要なのは、生分かりを防ぐためでもある。中高生や大人は理解を優先したがる点も考慮に入れる。②音読中は英文が次から次へ流れていき、和訳を同時にするのは不可能である。しかしイメージを思い描くことは可能だ。③よりスピードのある音声を聴きながら前からイメージ化の練習を重ねる。

このような音声練習(まずは自己の音声で、次ぎに音声教材で強制的にイメージ化せざるを得ない状況を作る)を段階を踏みながら大量に行うことがオンライン処理の熟達度を上げていくためには必要不可欠と考える。音声教材を伴わない読解だけでオンライン処理の訓練を大量に行うのは至難ではないかと考える。

私たちはすでにイメージ(+音声)を通して直で理解するやり方を目にしている。絵本である。絵を使った理解には必ずしも和訳は必要ない。大量に読む内に語彙についてどんどんイメージが貯まってくる。たとえば、absorbという単語でも、ティッシュが水を吸収している絵や写真を見たり音読をくりかえしているうちに(和訳を一度通したとしても)ダイレクトに概念にアクセスできるようになるだろう。だから児童英語教育では、絵本を使ったり、絵を使ったカードで swim in the ppolとか、play tennisなどという英語を大量にインプットするのではないだろうか。その方が処理が速いからである。音声を聴いて、直に行動させるTotal Physical Responseも、和訳をはさまず概念を理解させる方法である。


ではイメージ化によるオンライン処理の熟達はなにに役立つか。私の結論は、「1文レベルの英文理解に使われていた、ワーキングメモリーのパワーが解放されると、未知語や行間の推測や、文脈把握(言い換え、対比、因果、追加の流れを追うこと)、前のパラグラフで読んだことの記憶の保持、批判的に読む等、より高次の処理に脳のパワーが使えるようになる。」となる。<音読練習は単語の音韻化の自動化にも役立つと考える>

最後にオフライン処理(いわゆる伝統的な英文和訳方式)は悪者だろうか。自分にとって難しい部分はオフライン処理を私たちはしている。慣れたトピック、自分が対処できる語彙や構文のうちはオンライン処理。でも、対処できなくなるとオフライン処理。オフライン処理はすべて悪者ではないと考えます。もっともオフライン処理に頼りすぎるとゆっくりとしか読めないため、それ自体は減らしていく必要がある。オフライン処理を少なくしていくには、世の中に関心を持ち(トピック的に)、逆接的ではありますが、最低限度の文型知識、句節の知識、ある程度の英文解釈や構文のトレーニングを(可能な限りオンライン的に)行う必要があると考えます。大切なのは、和訳をしないことではなく、前から順次意味処理をするシステムを教えることと、最終的に和訳をはずしていく方法を伝えることかなと思います。

以上、自分なりに考えた結論です。研究をしたわけではないので、自己流のそしりは当然ありますが、自分の体験をもとに構成しました。
自分はこれが効果的と分かっているのですが、EFL研究をなさっているどなたかの目にとまり、研究を進めていただければ幸いです。

 

2019年8月23日 (金)

0628-190823 パターンプラクティスのやり方

2019の ELEC同友会サマーワークショップで パターンプラクティスの正しいやり方を学んできたので紹介しようと思います。

パターンプラクティスって、意味が伴わない、機械的な練習方法でしょ。時代遅れなんじゃないの?と思う方もいらっしゃると思いますが、英語の語順操作などを「自動化」段階の練習にはうってつけの方法なんです。

児童英語の世界では、身の回りの名詞、形容詞などを覚えた後、それらを組み合わせて大量のコロケーションを覚えさせられます。ピクチャーカードを使って。play tennis, go to shcool, watch the baseball game, write a letter to... , read a book etc. それに、主語の I や、He, Sheなどを使って、文を作らせます。次の段階はCan youや Do you, Did you... Have you...などを付け足して文を作っていきます。こういう大量の練習の積み重ね、語彙、表現をマスターしていくことの積み重ねの上に、より自由なアウトプット表現活動が待っています。これも広義のパターンプラクティスと言えるでしょう。

さてワークショップで習ったパターンプラクティスのやり方です。

   先生                        生徒

  • I play tennis.                     I play tennis. 
  • (She) 鈴木さん...       She plays tennis.
  • Class...                             She plays tennis.
  • (He)  髙木さん...                 He plays tennis.
  • Class ...                            He plays tennis.
  • (疑問)会田さん...               Does he play tennis?
  • Class...                             Does he play tennis?
  • (what sports) 佐々木さん.... What sports does he play?
  • Class...                            What sports does he play?
  • (like) 横田さん...                what sports does he like?
  • Class...                             what sports does he like?
  • (baseball)富田くん...           He likes baseball.
  • Class...                             He likes baseball.

    1 基本文をまず言わせて
    2 変えるところを言ってから、生徒を指名して言わせます。
    3 生徒が言った文をクラス全体で言わせます。

      変える部分は1回につき1箇所です。


    メリットは1分程度の帯活動で毎時間できます。短時間でも濃い活動です。
    また、慣れれば教員や友人が要りません。1人パターンプラクティスもできます。
    指名されるまで、前に言っていたことを覚えておく必要があり、サボれません。ワーキングメモリーも鍛えます。

パターンプラクティスに向くのは、疑問文、三単現のS、時制、不定詞、動名詞。

向かないのは、比較級や、関係詞や分詞などの後置修飾。複数の要素がからむのは向かないです。

利用できるところはしつくして、利用できないときは他のやり方で工夫する。それでいいと思います。


 ところが、スローラーナー中のスローラーナーは上記の活動でさえ難しい人がいます。疑問文の作り方のシステムが分かっていない人たちです。
 少し観察して、疑問文作りがうまくいかないようであれば、その事前サポート活動に移行します。

 

 Be動詞の疑問文は主語とbeVをひっくり返せばいいですので、比較的分かります。
 問題は一般動詞ですね。

  私がよくやる手は

 playsは、playのうしろにdoesのカードがかくれていて、おしりのsだけ見えている。だから、playとdoesに分解する。

 Playは、sがないので、playのうしろにはdoのカードがかくれている。playとdoに分解する。

 playedは、playとdidに分解する。

   分解した上で、do, does, didのカードを先頭に出す。 これだけです。

 

 ある活動がうまくいかないのは理由があるので、ひとつ前の、サポート活動に戻ることが必要になります。

 

 

2019年8月22日 (木)

0627-190822 アウトプット重視の危うさ

Speaking, Writing, とアウトプット重視の指導が多くなっている気がする。(一部高校では、未だに和訳を渡さず、和訳重視のところもあると聞いているが)

アウトプットに見合うだけの大量のインプットをどれほど行なっているのだろうか?長期記憶に入っている英文や表現が少なければ、アウトプットも貧相なものにならざるを得ない。もちろん、できない自分を認識させるという、メタ認知的な使い方もあるけど、それにしても、これだけアウトプットしなければというプレッシャーを感じて、そういう授業にしている方も多いんじゃないだろうか。

はっきり言って、時間のムダであると思います。

アウトプット自体を否定しているのではなく、アウトプットを支える、事前のサポート活動が十分でないままやっても、得るものが少ない、という意見です。

世界標準の英語指導を体験したくて、ケンブリッジの国際英語指導者資格、CELT-Sを受講しました。そこで習ったのは、以外にも、メカニカルなドリルを重視する姿勢でした。アウトプットをさせたい。でもうまくいかない。だったらどうするのか。を徹底して考えさせられました。文法/構文指導でも、Controlled activities, →Less controlled activities → Freer Talkと順を追って、「はしごかけ」をするのだと習いました。スモールステップですね。

サポート活動のために勧めたいのは、文法なら、パターンプラクティス。単位時間あたりの練習量をぐっと増やせます。英文テキスト`では、リプロダクション。リテリングではなく、リプロダクション。リテリングは、本文とは別の表現を使い、臨機応変に内容を説明していく方法。本文と同じでなくていいですね。一方、リプロダクションは、基本、本文と同じ構文を使って再生していく手法。スローラーナーにはどちらが向いているか。マスターできている構文の少なさを考えれば、またS-Vの定着率の低さを考えれば、リプロダクション一択になります。もちろんできる生徒はリテリングでいいんです。ただ、目の前の構文をしっかりマスターさせることがスローラーナーにはもっと重要なんだと思います。

アクティブラーニングの講座はものすごく流行っています。でも思うのは、アクティブになるためには知識が必要ということなんです。また、教師の仕掛けや発問も多すぎると、生徒が本当に主体的に学ぶのか疑問に思うわけです。語学って一人でトレーニングできますよね。個で練習したものをペアワークや、グループワークで出すならいいと思うんです。(ペアワークで練習させるのもいいけど、いつもそうだと、1人で練習できなくなrってしまう) そういう仕掛けが大事だと思います。つまり英語教師としては、個人でやれるトレーニング方法を教える。これは英文解釈の仕方も含みます。その上で、ペアワークや、グループワークで、インプットしてきたものを使わせる機会を与える。こうじゃないと、なんとなくペアワーク/グループワークの危険性を回避できません。

私の知り合いにも、アクティブラーニング型の授業をなさっている先生方で、うまくいっている先生方がいます。例外なく、抜かりなくインプット活動〜練習活動をされています。サポート活動なくしてアウトプット活動なし。当たり前のことを実践されています。

アウトプットの前に十分、サポート活動(インプット活動)をしていますか? そのアウトプット活動、上滑りしてませんか?

 

 

2019年8月16日 (金)

0626-190816 英語教師の100本ノック スリーヒントクイズ

今日は自分がやってきた教師修行の中で最も役だったことを書こうと思います。
このブログを見てくださっている方に少しでもお役に立てればと思ったからです。

それは、100以上のスリーヒントクイズを作るというもの。

スリーヒントクイズとは

これは、ある単語があり、それを抽象度を下げながらヒントを与え、相手にその単語が何か答えてもらうというもの。例えば、Vehicle(ビークル:乗り物)を例にとりましょう。スリーヒントクイズでは次のようになります。

1)   It is a kind of machine.

2)   It is used to carry people and things to different places.

3)   It has at least one engine: a car, a ship, an airplane.

最初に大きな枠組みを述べます。ものなのか、食べ物なのか、人なのか、日本人なのか、男なのか女なのか次に役割があればそれを、またはもう少し具体的な特徴を述べます。最後に誰でも分かるようなヒントを述べるのです。

こういうスリーヒントクイズを100本作れれば、教師修行の入り口に立てます。



何をネタで作るか

それは、帯学習と教科書で異なります。帯学習であればなんでもいいです。旬のニュースネタでも構わないんです。

例としてオリンピックをあげましょう。

1)It is a big sports event.

2) A lot of *athletes from many countries join the event.

3)The sports event is held every four years. 

    別ヒントとして、It has a flag.  You can see five rings on it. をつけてもいいです。

 

必ずスリーヒントなの?

スリーヒントとありますが、実はツーヒントでも、フォーヒントでもいいんです。(笑)生徒があっそうか!となるヒントが作れるならば。そこは臨機応変にいきましょう。

 

ヒントの中に未知語が入ってしまいますどうすればいいでしょうか

さて上では athletes, flag,  every four years という語句を使いましたが、スリーヒントクイズでは基本全ての単語が生徒にとって既習語でないといけません。でもどうしても無理な場合もあります。その場合には、アスタリスクをつけて、「運動選手」「旗」「4年ごとに」とでも注をつけるので大丈夫です。口頭で言うクイズであればathletes:運動選手 flag:旗 every four years:4年ごとに と日本語を付け加えればいいです。

通常の授業ではどうしますか?

これは「新出単語をスリーヒントクイズ化」すればいいです。1レッスンで30の単語があるとして、3レッスンで90個。ほぼ3レッスンで100本ノックが達成できます。そう生徒に100本ノックを出すという意味以外で、教師自身が100本ノックを受けるんですね。

クイズ作りが本当に授業に役立ちます。実は、教師が授業中にする発話は基本Teacher Talkと呼ばれるもの。これは 基本、以下のうち①と②がとても多いんです。つまり、「生徒が知っている語彙の中で、抽象と具体を行ったりきたり自在にできる」人がTeacher Talkがうまい人の条件なんです。

①抽象的なわかりずらいものを、具体的なものに言い換えます
②あるいは共通点がある複数の具体的なものに抽象概念を与えます。( apples, oragens, bananas → fruits )  
③あるいは対比させて分からせようとします。The opposite word of happy is unhappy or sad.  
④あるいは因果関係を述べます。I caught a cold, because it was very cold last night.  

形容詞や動詞の推測をヘルプするあれこれの技

名詞はまだいいとして、形容詞はどうすればいいでしょうか。こんな時は、①対比 や ② if 型定義  ③ 例文 が使えます。コウビルドはIf型の定義を数多く載せています。こういうのを参考にして、自分で作っちゃいましょう。次は定義+例文のヒントです。

定義 If chocolate is your favorite food,  you like it very much.   
例文 My favorite movie is Star Wars 2.  I see it many times.  

例文ですが、2文あれば、文脈ができます。是非2文使うことを勧めます。

 

難しめな動詞もありますね。depriveなんかどうでしょうか。色々定義が辞書には載ってますが、わかりずらいなあという場合には、いっそ定義を飛ばして、例文だけで推測させてみてはどうでしょうか。臨機応変で! 最終目的は生徒が一番推測しやすいものを考えること。逆にスリーヒントクイズだからと定義にこだわり、結果、訳のわからないものを読ませられるのでは「悲劇」なんです。分かるから面白い。もう少しでわかりそうだからモヤモヤする。わかった時にあそうか!となる。学びの喜びが生まれるのです。形だけとり入れても面白くなくなるのは、最終目的は生徒が一番推測しやすいものを考えることという目的を忘れているからなんです。これさえあって入ればなんでもOKです。


例文 There is a tall building next to my house.  
   The building deprives us of sunshine.  We are not happy.  

さらにある訳語を思いつかせたい場合、日本語ヒントを添えます。
skeptical:  If you are skeptical about something, you don't think that it is true.  
                He developed a new theory, but many scientists are skeptical about it.  「(       )的な」

「懐疑的な」が答えですが、生徒のレベルとして懐疑的という言葉を知っているというのが前提ですね。まあ「疑っている」ということが言えればいいんですけどね。


多義語はどうしますか?

 方法は2つ。
  1)本文の意味に合わせたヒント作りにする

  2)2つか3つの意味のヒントをそれぞれ作る。  
    大変でもオススメは2)です。2をやった上で、本文でどの意味か判断させることが大事です。

ヒントに使う英語はどこから持って来ればいいの?

僕は、ロングマン、コウビルドあたりを使っています。ただし定義は長い文で書かれていることが多いので、適切な長さにぶった切ります。長い定義を読むことは生徒は苦手です。一方、一つのヒントを短くすることでわかりやすくなると同時に、大雑把なヒントから具体的なヒントへと作りやすくなるわけです。

クイズを作った後はどうするの?

僕は、1レッスン分の新出単語をスリーヒントクイズ化してプリントを作成し、生徒に配ります。そしてペアワークで意味を推測させるのです。ああでもないこうでもないと話し合いが始まります。生徒のレベルによっては、選択肢を設けてもいいですね。上記Vehicleであれば、1)車 2)乗り物 3)飛行機 とクイズの後に載せます。 こうすればハードルはぐっと下がります。ハードルを下げないすむ生徒たちなら選択肢は設けません。その場合、生徒の方にも「本当にこの訳でいいの」とモヤモヤが残ります。このモヤモヤを作るのが実は狙いだったりします。最後に生徒に辞書引いていいよというと、勝手にガンガン引き出します。確かめたくてしょうがないからです。推測が当たっていた場合には嬉しくなります。「ああそうだったのか」という場合には「アハ体験」が待っています。このように単語を印象に残すわけです。単純にインプット量を増やしたいのもあります。

最初に全部の単語をやってしまうわけ

単語さえある程度わかっていれば、次の段階でレッスンを通して英文を読ませることが可能になるからです。(難しい構文のところは先生がやさしい英語で書き換えてもいいでしょうね。) 単語さえわかって入ればまとまった量を自力で読む練習が次のステップでできるのです。リスニングさせてもいいでしょうね。もちろん、クイズを解いたからと行って、すぐに全部の単語が長期記憶の倉庫に入るわけではありませんが、何をするにしても、あ、やったことがあるという状態はとてもありがたいのです。もちろん、各パートにおいて、発音やその他はだめ押しの練習はしないといけません。

 

色々書きましたが、お役に立てれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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