AI Geminiを使った、自動英作文添削システム(安藤先生による)の紹介
GoogleFormsで英作文を提出させている学校は多いと思います。ここでは、自動で、提出された英作文に対して、GoogleのAI である、Geminiを使って、10点満点で評価し、かつ添削してくれる方法についてです。
生徒英作文例(前田作成)
We should have pets.
I think we should have pets. First, we can become much healthier. Having pets will reduce our stress.
Second, if you have pets, your life will be more enjoyable. You can make a lot of friends have the same kind of pets.
## 作文添削結果例(以下安藤先生のインストラクションに従い、前田が gemini関数をセルに埋め込み 生成された結果)
**題名:** We should have pets.
**ルーブリック評価**
| 項目 | 評価 | 点数 |
|---|---|---|
| 内容 | 2 | 8点 |
| 構成 | 2 | 8点 |
| 表現 | 3 | 12点 |
| 文法 | 3 | 12点 |
| 表記 | 4 | 16点 |
| **合計** | | **56点** |
**内容:**
ペットを飼うことのメリットとして、健康面と生活の充実という2つの理由を挙げていますが、具体的な説明が不足しています。例えば、ストレス軽減については、どのようにペットがストレスを軽減してくれるのか、具体的な例を挙げて説明する必要があります。また、生活の充実についても、ペットとどのように過ごすことで生活が充実するのか、具体的なエピソードなどを加えることで、読者の共感を呼ぶ文章になるでしょう。
**構成:**
テーマに対する賛成意見を述べていますが、理由を説明する際に、段落分けがされていません。段落分けをすることで、文章の構成が分かりやすくなり、読者も理解しやすくなります。また、各段落の冒頭にトピックセンテンスを置くことで、その段落で何を説明するのかが明確になり、文章全体の論理的な流れが向上します。
**表現:**
全体的にシンプルな表現で書かれており、読みにくい部分はありません。しかし、より豊かな表現を使うことで、文章に深みが増します。例えば、「reduce our stress」を「help us relax and feel less stressed」のように言い換えることで、より具体的なイメージが伝わるようになります。
**文法:**
文法的な誤りはいくつか見られます。例えば、「You can make a lot of friends have the same kind of pets.」は、「You can make a lot of friends who have the same kind of pets.」のように修正する必要があります。また、「if you have pets, your life will be more enjoyable.」は、「Having pets can make your life more enjoyable.」のように言い換えることで、より自然な表現になります。
**表記:**
誤字脱字はありません。しかし、文章全体に、より自然な英語表現を使うように心がけましょう。例えば、「have the same kind of pets」は、「share a common interest in pets」のように言い換えることで、より自然な表現になります。
**全体的な評価:**
ペットを飼うことのメリットについて、簡潔に説明しようとしていますが、内容や構成、表現面で改善の余地があります。具体的な例や説明を加えることで、より説得力のある文章になるでしょう。
**今後の学習に向けたアドバイス:**
今回の作文では、具体的な例や説明を不足している点が課題です。文章を書く際には、自分の主張を裏付ける具体的な例や根拠を意識して記述しましょう。また、文法や表現の誤りを減らすために、文法書や辞書を活用したり、英文法の学習を継続したりすることが大切です。さらに、様々な英文に触れることで、より自然な英語表現を身につけることができます。積極的に読書や映画鑑賞などを行い、英語学習を継続してください。
**英語でこう書くと良いという改善点:**
* **「reduce our stress」を「help us relax and feel less stressed」のように言い換える。** (ストレスを軽減する代わりに、リラックスしてストレスを感じにくくする、という表現に。)
* **「You can make a lot of friends have the same kind of pets.」を「You can make a lot of friends who have the same kind of pets.」のように修正する。** (文法的に正しい表現に。)
* **「if you have pets, your life will be more enjoyable.」を「Having pets can make your life more enjoyable.」のように言い換える。** (より自然な表現に。)
* **「have the same kind of pets」を「share a common interest in pets」のように言い換える。** (より自然な表現に。)
すごい! 何もしなくてもここまで自動で採点、添削してくれるんですね。
方法は、「Gemini関数」を使うこと。例えば Google worksheetの「D3のセル」に次の関数を埋め込んでおきます。「 =gemini(D2) 」
すると、GoogleFormsによってD2に入力されたきた生徒の英作文を、AIであるgeminiに一度渡し、採点、添削してくれたものをE2のセルに返してわけです。APIキーというものを取得して設定するとこれが可能になります。しかも無料。使用においては1分間に15回という制限はありますが十分。
Googleworksheetでは別のタブに、あなたが何者で、何のための添削か、また、ルーブリックはどうするのか、どんな情報を生徒に提示するのかを設定するところがあります。これによって、国語であろうが、英語であろうが、教科を問わず、AIから返ってくるデータを変更できるのが優れている点です。
安藤昇先生によるAIの活用方法。素晴らしい。
Google sheet & Gemini で評価と添削が簡単に出ます。もちろん、そのまま生徒に出すのはまずい。自分なりに気づいた点もコメントも添えておく。大量に添削が必要になった場合に使えるテクニックでした。
一点だけ注意。
例えば作ったGoogleworksheetをコピーして別のものに使おうとすると、APIキーを再入力しないとうまく機能しません。(APIキーとはAIであるGeminiと、Googleworksheetというアプリで情報をやり取りするための鍵です)APIキーはユーザー一人一人に固有なもの。人に教えたり渡すものでは断じてありませんので、人にworksheetをコピーした時に自分のAPIキーが引き継がれない仕様は実にありがたい。人にシートをコピーしてあげたとしても、自分のAPIキーは引き継がれませんのでとても安心です。一方で、コピーシートをもらった側は改めて自分のAPIキーを取得して入力する必要があります。
Googleworksheetの「拡張機能」から→「Apps Script」を選ぶ→ 左端の「歯車マーク」をクリック→一番下の「プロパティ欄」に小文字で「apikey」と再入力、また、値欄に「apikeyそのもの」を再入力する必要があります。これで、コピーして使うことが可能です。
詳しくは以下の動画を参照ください。
https://youtu.be/g5SLHsQe090?si=hhhistd4XLC1L8Ro
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