参考書のわかりやすさは何がポイントか
ある教材会社さんが学校に来て、文法の教材について意見を求められました。次のようなお話しをさせていただきました。まずエディトリアルデザイン。そこの会社の文法の参考書は内容はいいのですが、読み手にとって整理しやすい形に説明文や英文がレイアウトされていませんでした。それで階層構造をはっきりさせてもっとシンプルな法則に従ってレイアウトを変えてはいかがですかと話しをしました。学習者の脳が行う整理を「レイアウト」の方でひきうけてしまえばわかりやすくなります。2点目はイントロダクション。各章ごとにその文法項目の紹介をするイントロダクションがあってから、本格的に説明がはじまるのですが、イントロダクションからいきなり文法用語のオンパレード。イントロダクションから用語を駆使して真面目に説明し出すとやはり拒否反応がでてしまいます。イントロダクションは「ひきこむ」という意味。なんのために、どのような状況で使うのか、イメージさせて、おもしろい!そうか!と思わせるようなイントロダクションであって欲しいと言わせていただきました。3点目はイラストの使い方。例えば関係詞の限定用法といってもピンと来ません。そこで、たくさんある中から、「これだ」というものを絞り込むということをイラストで説明させてしまえばわかりやすくなります。非限定用法はやはり、my father等一人を想定させるものや、スカイツリーなどの固有名詞を出して、限定する必要のないものに解説を付け加える働きがありますとやはりビジュアルで説明できればわかりやすくなります。色の使い方。うまくすれば、学習者の視線をうまく誘導できます。色の使い方にも意図があって欲しいと思います。フォントの種類、大きさ、色、紙質、紙の色まですべては学習しやすいようにデザインされているかですね。準教科書のほうはどの会社も差が付きにくい。参考書のわかりやすさはインパクトは大きいです。わかりやすさは何によって生み出されるか。ちょっとしたことの積み重ねによるものだと思うのです。
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