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2014年6月 8日 (日)

語いと意図的学習

子どもに Oxford Reading Treeで時々読み聞かせしている。5歳なので、単語レベルで、絵(概念)と音をマッチさせている感じだろうか。

ただし、中高生にもなると、難易レベルをしっかり考慮したものを選ばないと、効果は薄くなると思う。趣味で(好きで)読む生徒もいるが、そうでない場合難しいところだ。Paul Nation先生によると、ERが効果を発揮し出すのは50万語ぐらい読んでからとのこと。語い的、文法的にほぼ問題なく理解できる文である必要がある。 残念なことに続けられずやめてしまう人は少なくないと思う。Nation先生も語いについては偶発的学習だけでなく、意図的学習を否定していない。リストを使っての学習や、Intensive Readingも必要ということだ。量を確保できて、自分にあったものをそのときどきで適切に選択できる人はERから大きな恩恵を受けられる。

高校生ぐらいで、英語を得意にするのには、1)英語を句、節ごとに前から読むシステムを教えてしまう。 2)音読やCDのリスニングを通して、英語と概念を直接結びつけてしまう。和訳しなくて済む英語の量を確保する。3)基本語彙を含めた単語の意図的学習を組み込む という手順も有効と思う。 

ある程度、読み方、語い・文法の貯金を作り、内容をイメージ化した音読などを通してある程度のスピードで読めるようにしてから「Extensive Readingなどで興味のある分野のものを読み、読解量を増やせばいい」と思う。Extensive Readingを「継続して行うための方法の1つ」と言えるかもしれない。

で、最初に何を読ませるかだが、教科書や、英検などの素材文、やさしめの速読用素材文、やさしめの英文解釈集の素材が現実的なのではないかと思う。異論もあるだろうが、これを押す理由は「続けやすい」からだ。「興味があるものを読ませる」のは賛成だが、内容的にも、英語のレベル的にもちょうどいいレベルものを生徒自身が適宜選択し、継続的に読み続けるのは案外難しいかもしれない。授業などで教員などの指導が入りやすく、理解するための状況がそろっており、入手しやすく、かつ経済的な負担も少ないものがあるとしたら、そこから手をつけたほうがいい。いったん手をつけた素材文は意味と音声がとろとろにとけあった状態にするまで音読を重ねるほうがいい。訳さなくても読めるものが多くあると、Extensive Readingも加速する。ちょうど子どもが言葉と概念を絵本などで融合させていくような作業を大人がIntensive Readingと、なんどもなんども行う音読でやってしまうというイメージだ。

教科書にでてくる単語については、レッスンに先立って全て教えてしまう。とは言っても推測活動を通じてだが。推測プリントを作り、生徒が理解可能な「定義,ヒント、例文」を通じ、文脈から意味を推測させていく。ねらいは3つ。1つは可能な限り、理解可能な英語を読む量を増やし、その中でターゲットとする単語と出会う機会を増やす。推測活動→レッスンまるまる通し読み→精読→音読リプロダクション活動と何度も繰り返し出会わせる。二つめは文脈から推測して読む力をつけさせること。また、3つめは意味を印象に残すこと。推測活動をさせると、「これであってるのかなあ」というもやもやした気持(情報的飢餓感)を作り出すことができる。生徒にこれをやらせると自分の推測を確かめたくてうずうずして辞書を使い始める。私見では辞書で確認することを通し、気づきが起こりやすくなり、単語の印象が残りやすくなるようだ。ベネッセのスタディーサポートの結果も「未知語をいきなり辞書でひくより、文脈にあう意味を考え て選ぶ生徒ほど成績がよい」と同じことをのべていた。

Involvement Load Hypothesis という語い習得理論がある。(Laufer and Hulstijn, 2001)

単語を覚えるかどうかは ( Need / Search / Evaluation ) に影響されるとする理論。 ・Need ... 先生が覚えろといった単語より自分が知りたい単語は覚える ・Search... 知りたいと思ったら、辞書をひいたり先生に聞いたりして調べる ・Evaluation...辞書などで調べた意味が文脈にあうかどうかチェックする。この理論が仮に正しいとして、一応、語い推測プリントはこれに全て合致している。

一方、学校から渡された単語帳についてこの理論をあてはめると

( No Need / No Search / No Evaluation )だから「単に」単語帳を渡すだけなら最悪の結果になる。

単語帳をポンと渡してもなかなか定着しないのは多くの教員が経験していることだ。それで自分は語い推測プリントなどで、単語帳ででてきた既習語を積極的にヒント文や例文で使うようにしている。出会いの回数を増やすためだ。「あ、これ覚えた単語だ。覚えてよかった。」ということでNeedも確保できる。(週末課題などもそう) 単語帳はやらせっぱなしにせず、授業時一緒に音読し、音声情報を与え、必要あらば、語源や、連想語 (reduceなら、garbageとかweightとか)を教える。また読んでいた英文に単語帳で学んだ多義語があれば、代表的意味を言わせ、文脈に合う意味を考えさせる。授業時数分を使い、繰り返し音読させる。(これをやったときと、時間がとれずやれなかったときの語いテストの結果の違いは歴然としていた。)Oral Interactionなどで可能な場合は積極的に教科書とからめて使う。Essayなどで使うよう促す。単語への関与を強めさせる。(ちなみにNationは意図的学習をするならリスト型で単語を学ぶことを勧めているそうだ)

もちろん興味あるものを読ませるのは極めて大切だ。今はネットが発達している。経済的に負担にならず無料で読める良いものもたくさんあるからそういうものは紹介したい。(残念なことだが、福島では震災以降、経済的負担という点も特に考えなくてはならない)

今自分がわかっているのはExtensive Readingも、Intensive Readingも、単語帳による意図的な語い学習もあっていいということだ。それぞれ適宜利用すればいい。目標へのルートはひとつとは限らない。「継続しやすくて(あるいは大変であっても)」「効果がある」ルートが何か、学びあい、情報交換したい。知らないことも多いし、自分よりすごい先生もたくさんいる。だから様々な勉強会に出たいと思う。(とりとめがなくなってしまった。反省)

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