0463- 121007 みんなで書けば怖くない
「『英語教育ブログ』みんなで書けば怖くない!企画」の第4回目に参加させていただこうと思います。この企画に参加するのは2回目であります。
迷いに迷いました。
当初
「英語好きにする授業のマネージメント30の技」
「生徒の心に火をつけるー英語教師田尻悟郎の挑戦」
「パラグラフ・ライティング指導入門―中高での効果的なライティング指導のために」
でしたが、悩んだ末、現時点では
伊藤和夫先生の「ビジュアル英文解釈」にしたいと思います。
私が選んだのはSLAの理論を記した名著ではありません。たかが英文解釈本です。これをなぜ私の英語教育の1冊にもってきてことが合点がいかない方もいらっしゃるでしょうから説明いたします。
授業は全て何か目的があってなされるものだと思います。解釈にしても、音読にしてもそうですし、リスニングにしてもそうです。そして、その小さな目的同士は有機的に関連しあっているべきでしょうし、新しい項目の理解のための「Scaffolding」的役割を果たしたりしているべきです。で検定教科書はそうなっているか。残念ながらそうなっていません。多くの場合教科書は教材と教材の順序、相互効果についてはあまり考慮されていません。(検定教科書にかかわっていらっしゃる方がいればすみません。検定教科書なりの制約ももちろんあると思います。)また日本では、忙しさからか、あるいは他の原因からか、教師はお互い同士の暗黙の約束ごととして残念ながら「そのような」検定教科書をそのままの順番でやることが多いと思います。ところがビジュアル英文解釈は目的が明示され、その目的同士がお互い関連しあって、教材の提示順に意味があるまれな教材です。また、一度学んだことは、そのレッスンの文中に2度3度と現れるだけでなく、その後の文中にも、これでもかこれでもかと出てきて復習を自動的に促している点も見逃せないところです。中嶋先生にせよ、田尻先生にせよ,3年間のcan-do あるいはシラバスをしっかり作った上で授業なされていたことでしょう。ただ高校では中学以上にやることが多く、教材も多彩です。これらの組み合わせを状況に応じて使い分けるのはなかなかに難しいことです。それが読解だけとは言え高校3年間のエッセンスが一冊(二冊)にまとまっています。バックワードデザインが完成している高校生向けの(自習)本なのです。英語教師に「教材とは何か」「どうあるべきか」を示唆してくれる本だと思います。
もうひとつ気に入っている理由は日本語のパワーを最大限に英語学習にいかしているのに、和訳でストップしていない点です。生徒の中には、「前置詞がついた名詞は主語になれない」ということを明示されないと理解できないものも思いの外います。語学を学ぶということは、「前置詞がついた名詞は~」からわかるように新しいものの見方を発見するということも意味します。英語がEFLの社会において、本書はそのような発見のスピードを速めてくれます。それにプラスして、筆者が左から右への英文の理解をすすめていることも見逃せません。ある意味、和訳にこだわった方でありましたが、和訳の限界も筆者はわかっていたと思います。音読などを通して英語と日本語の概念を融合させていけば日本語を介在させなければスピードアップがのぞめます。生徒のつまづきやすい点を明示化しているだけでなく、くり返しくり返し、それを埋め込んでおくことで、くり返し意識化→無意識化→身体化させようという筆者の考えには共感できるものが多々あります。
以上の2つの理由「高校生のつまづきを意図的にとりあげ、学習素材としてバックワードデザイン化した点」「(日本語利用)意識化→(日本語から離れる)身体化を目指している点」など、学ぶことが多いと思い、選定いたしました。
« 0462- 121007 Quick Time Pro で英語の自習用解説教材(動画)を作ろう! | トップページ | 0464 121028 桑名さんありがとう »
「英語指導法」カテゴリの記事
- 英語教師の心得ーBritish Columbia Universityの研修から(2022.07.24)
- ICQsでぼうっとして話を聞いていない生徒を救う。(2022.06.20)
- 0667-211004 教えるのがうまいとは何を指すか。(2021.01.04)
- 0666-210103 母音ひとつで一拍 シラブルと音声変化について(2021.01.04)
- 0661-210102 and をばかにしない指導 伊藤和夫先生(2021.01.02)
« 0462- 121007 Quick Time Pro で英語の自習用解説教材(動画)を作ろう! | トップページ | 0464 121028 桑名さんありがとう »


コメント