« 0447- 120810 指導のつながり、伏線をはっておくこと | トップページ | 0449- 120821 英語での授業のバックボーン MERRIER Approach »

2012年8月19日 (日)

0448- 120819 新しい授業モデルの構築ーどう英文解釈を入れるか

Can-do statements(以下CDS)の時代ますます必要になるのが、授業モデルの存在。リーディングやスピーキングなどで、CDSを下位技能に分解化したこまかな活動を入れ込んでいくことはできますが、それではWell-organizedな授業にはほど遠くなります。部分をいくら積み上げても、まとまりのある全体を構成することはかないません。最初からグランドデザインとして、大きな枠組みがあり、その中でどう各活動をくみ上げていくか、いいかえると、その授業、その学期、学年の最終目標に向けてどう活動をくみ上げていくか考えなければいい授業にはなりえないということになります。ここで役に立つのが「授業モデル」汎用的な枠組みさえあれば、あとは、時系列にしたがって内容を変化させていけばいいということになります。

金谷先生たちのグループが作った授業モデルがありますが、弱点も。英文解釈の「か」の字もないこと。やはり大学の先生方が作ったモデルでありますので、どうも海外の研究がベースになっているのではないかと思われます。フレーズリーディングをひたすらやれば、生徒が初見の文の構造についてもわかるようになるというのはその通りですが、基本的な指導(後述)をすっとばすとえらく効率が悪くなるばかりか生徒がついてこなくなります。

その基本的な指導とは? 読解に限りますと、まず5文型の指導、それから、形容詞句(節)と副詞句(節)、名詞句(節)の範囲と、役割を見抜く判断方法の伝授。つまり、生徒が自力で構造をとれるようにするための「判断枠組み」のトレーニングを入れない限り、高校教諭から、あるいは難関大を目指す生徒からの指示は得られません。英文解釈の練習は授業の中に組み込む必要が絶対あります。フレーズリーディングはすでに理解した英文を血肉に変えるためにどうしても必要な読み方。でも、初見の複雑な構造の(人によって何が複雑か変わります)をとるのに四苦八苦している生徒が目の前にいるわけですから、そこは何とかしてあげたい。生徒は模試などの初見の文も読めるようになりたい。「自分でできるようになる範囲をどんどん増やしたい」のです。

とはいえ、日本語で行う解釈の授業の擁護じゃないの?と思われるのは本意ではありません。誤解のないように書きますと、今までの和訳の授業とは違い、あくまで句や節の判断枠組みを教える授業でなくてはなりません。それと、僕の提案は和訳を制限しようというものだからです。

僕の提案するコミュニケーション英語1の授業モデル(高校1年生)は以下の通り。

1レッスンを8時間で行うものとする。
それぞれの活動は次の活動に必要不可欠な活動になっています。
日本語をばりばり使うのは2時間目まで。そのあとはサブ的扱い。

1)最初の2時間で、語いの練習と、ターゲットとする文法の練習、英文解釈を行います。

2)3時間目でリスニングとテキスト全文の概要をとる指導。

3)4〜7時間目では通訳トレーニングによる音読・暗唱活動。

4)8時間目ではその暗唱活動をもとにした、レシテーション活動。

文法や構文についてはやはり日本語の指導が必要。今まではレッスン途中やレッスンの最後にやっていたものを一番最初にもってきます。語いと文法、構文把握といった部分を日本語でやっておいて、3時間目で行うリスニング活動や、概要をとるスキミング活動の支障を取り除いておきます。抽象→具体などのパラグラフ構成の指導や、ディスコースマーカーの指導もここでしていきます。1〜3時間目で語い,文法、構文、概要把握まである程度終わっていますので、4〜7時間目からはフレーズリーディングを主体にしたトレーニング活動になります。通訳活動を通してリスニングの力、英和、和英に即時変換する力を強化していきますが、特に各段落の概要を伝える文については徹底暗唱です。これは8時間目で使うからです。8時間目はその文をつないでサマリーをつくりますが、キーワードのみ残して、英文を再生する、キーワードレシテーション(リプロダクション)を行わせます。(すでに4〜7時間目で徹底暗唱をしている文です。)この活動は西先生のワードカウンターでペアでまず行わせ、しかるのちに、個人を指名し、全体の前で発表させます。「キーワード(あるいは絵)さえ使えば、使う文・構成などは自由」としておくと、単なる暗唱から逃れられてよいと思います。


以上、理解→とりこみ→アウトプット の流れができていると思います。

1〜2時間目は日本語をばりばり使うと言いましたが、文法の指導は説明は最小にして、パターンプラクティスを行い、目標は会話や作文で使えるようにすること。ですから穴埋や4拓でフィニッシュしては絶対いけません。8時間目のアウトプットの時や今後の英作文指導のときに生徒が自然に使ってくれればこちらのもくろみとしては伏線をはっておいたかいがあるというもの。また、英文解釈指導であっても、語い学習、音読練習、フレーズリーディングで暗唱させて、会話や英作文へとつなげることがのぞましいです。英文解釈だからといって、日本語の和訳でフィニッシュする必要はさらさらありません。結局語い指導にせよ、文法、構文指導にせよ、最終的なベクトルは常に、英語でのプロダクションに向いているべきなのです。

|

« 0447- 120810 指導のつながり、伏線をはっておくこと | トップページ | 0449- 120821 英語での授業のバックボーン MERRIER Approach »

英語指導法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/36697/46746405

この記事へのトラックバック一覧です: 0448- 120819 新しい授業モデルの構築ーどう英文解釈を入れるか:

« 0447- 120810 指導のつながり、伏線をはっておくこと | トップページ | 0449- 120821 英語での授業のバックボーン MERRIER Approach »