« 0370 -0111008 文法教材を作る時のポイント | トップページ | 0372- 111112 接触節 zero 関係詞 その2 »

2011年10月25日 (火)

0371 比較の指導の問題点2点

英語教育ブログみんなで書けば怖くない!企画(http://d.hatena.ne.jp/anfieldroad/20111001/p1)に参加中!

一点目は、形容詞の種類を指導者側でわかって指導しているかという点.

形容詞には尺度形容詞と、評価形容詞の2つがある。
尺度形容詞は、big / small ,  old/ young,   tall / small,   high / low,  deep / shallow , long / short ,  difficult/easy , fast / slow などの対になる形容詞が多い。

尺度形容詞は実は「相対的」。 Kate is as tall as Yoko. と言った場合、Yokoの背が低ければ、Kateも背が低いことになるし、Yokoの背が大きければ、Kateの背も大きいことになる。相手によってかわるのが「相対的」ということ。

注意:対になっている形容詞でも、尺度形容詞的なものと絶対的な評価形容詞的なものがある。good は相対的、badは絶対的。kindは相対的でcruelは絶対的。hotとcoldは共に絶対的。 尺度形容詞のペアの最初のほうを (old / youngのうちold)を無標(old)、後者(young)を有標という。通常、Howをつかって述べる疑問文は有標の形容詞だけ使われる。 How old is he?   無標というのは「標準に使われるもの」と考えればよい。How young is he ?というのはよほど特殊な場合のみわざわざ使われる。そして「若さを強調する」。こういうのを有標という。無標の尺度形容詞が比較構文で使われると、old, tall, long, big はそれぞれ「年を取った、背が高い、長い, 大きい」というプラスの意味をともなった意味にはならない。だから相対的という

一方評価形容詞というものがあります。 beautiful , ugly, expensive, cheap, intelligent, foolish, serious, valuable, などがそれです。

評価形容詞は「絶対的」。Kate is as beautiful as Yoko.  Takao is as intelligent as Yoko. と言えば、 Yoko is beautiful.  Yoko is intelligent.というのが前提になります。尺度形容詞とは違い、「Kateの容姿はYokoのレベル並みに低い」とか、「Takaoの知的レベルはYokoのレベル並みに低い」といった意味にはなりません。 これはKate is more beautiful than Yoko.も同様。Yokoは美しいということを前提に、それより美しいという表現になります。

さて、訳の問題に移りましょう。評価形容詞の場合、「ケイトは洋子とおなじくらい美しい」でいいようですね。しかし一方、尺度形容詞の場合「ケイトは洋子と同じくらい背が高い」ではまずいこととなりそうです。これは「同じくらいの背丈だ」として指導する必要があるのではないでしょうか。さらに言えば、訳も「ケイトは同じくらい美しい /洋子と比べて」と基準が洋子にあることをしっかり訳出してあげたほうがいいと思います。

僕はこれまで、asとasではさまれた形容詞はもとの意味を失う(相対的になる)と教えていましたが、これは尺度形容詞に限ったことのようです。冷や汗。。。。

2つめの問題点。

thanや2つめのasのうしろには基準となるもの、人がくるわけですが、話者にとってこれは「自明のこと」なのです。ところが中学生にとってはこれがわからない。従って、尺度形容詞にしろ、評価形容詞にしろ、できれば、皆が知っている人や、有名人とかを基準に持ってきた方がいいわけです。Taro is as intelligent as Tom.という一文だけ示されても、Tomって誰?頭がいいの?となります。本来、2つめのasや、thanのうしろにくる基準は「自分にとって自明」のものでなくてはなりませんが、このような例文ばかり使っていると、まともな言語感覚を育てられないと思うのです。それより、 Taro is as intelligent as Einstein. とか、Taro is as intelligent as a chimp.とかのほうが基準としてはっきりします。Taro can swim as fast as Kitajima Kosuke. とかだったら例文としてはOKでしょう。それを足がかりにして徐々に自分の身の回りの人、ものに広げていけばいいのかなと思います。

尺度形容詞のas as表現や比較級は、図やグラフを使うことで、「相対的」ということを納得させられますね。距離の短い川を何本かあげておき、 as long asと教える。距離が非常に長い川も何本かあげておき、これも as long as...とやる。「相対的」ということを明示しなくとも教えていけます。

尺度形容詞や評価形容詞は僕だったら、中学生には誤解をおそれず、

数字で測れちゃう「計測形容詞」と「それ以外」と教えると思います。年齢、身長などは数字で明示できますが、美しさの度合いは数字にできませんからね。

|

« 0370 -0111008 文法教材を作る時のポイント | トップページ | 0372- 111112 接触節 zero 関係詞 その2 »

英文法ー比較級最上級」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/36697/42669490

この記事へのトラックバック一覧です: 0371 比較の指導の問題点2点:

« 0370 -0111008 文法教材を作る時のポイント | トップページ | 0372- 111112 接触節 zero 関係詞 その2 »