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2011年3月24日 (木)

0327- 目に見えぬ危機

現在いわき市は復興に向けて努力を続けていますが、物資がほとんど入ってきません。これは放射線を気にしてドライバーがいわきに来ないためだそうです。いわきにものをもってきて、帰るといった、短時間の場合は放射線は全く影響はないでしょう。

ただそこで暮らしている私達にとって累積の放射線量は別の意味を持ちます。現時点の(3月24日 18時 いわき市役所計測 Sea Wave放送)いわき市平の放射線量は1.44マイクロシーベルト / h です。(いわき市のホームページに時系列ごとの放射線量を記したエクセルファイルがあります)1.44マイクロシーベルト /h は1時間あたりの放射線量が、1.44マイクロシーベルトになることを示しています。よく新聞などの報道で持ち出される、腹部X線の放射線量は1回あたり600マイクロシーベルトです。また、胸部X線1回分は、50マイクロシーベルトです。いわき市平では、1時間あたりの放射線量は約1.4マイクロシーベルトですから、24時間外気にさらされた場合,1.4×24h=33.6マイクロシーベルトです。政府の話では屋内にいた場合は,4分の1から10分の1(10分の1はおそらくコンクリートの建物にいた場合)の被曝量で済むという話ですから、10分の1の値としても、0.14マイクロシーベルト / hになります。つまりコンクリートの建物に24時間いて外出しなかったとしても、3.36マイクロシーベルト被爆することになります。すると15日間コンクリートの建物の中にいて、一歩も外にでなくとも、いわきにいると、累積の被曝量は50マイクロシーベルトに達します。かなり条件がよい人でも、いわき市平にいるかぎり2週間に1度の割合で 胸部X線検査を受け続けるわけです。

このまま放射線レベルが1.4マイクロシーベルト/h で推移すると、1年間の累積の被曝量は50マイクロシーベルト×24回(2週に1回と考えて)=1200マイクロシーベルトになります。単位を換算すると、1.2ミリシーベルトになります。人工放射線について政府が定めた許容量は1ミリシーベルトですから許容量を超える値です。(私達が自然界から受けている1年間の累積放射線は1500マイクロシーベルト=1.5ミリシーベルトです)

(値を訂正します)木造住宅の場合、屋外の被曝量の約9割の被爆量であることがわかりました。

木造家屋に24時間ずっといれば、被爆する放射線の量は屋外の9割程度になります。(原子力安全委員会データ)1日あたり30マイクロシーベルトぐらいでしょう。1ヶ月で900マイクロシーベルト。1年で10800マイクロシーベルト(10.8 ミリシーベルト)これは国の人工放射線の被爆の許容量の1ミリシーベルトの10倍になります。

これはもちろんこの値が1年間続くと仮定したものですが、コンクリートの建物から出なくとも1年間で24回胸部X線検査を受ける、あるいは木造家屋から1年間外出しなくても胸部X線なら1年に216回受け,腹部X線なら年に18回強受けるような生活など想像もできません。少なくとも乳幼児が暮らせる環境とは言えません。

【3月26日 23時 現在 平  1.07 マイクロシーベルト。9割として1日に22マイクロシーベルト。1ヶ月で660マイクロシーベルト。2ヶ月で国の基準値を超えます。1年で7920マイクロシーベルト。胸部X線158回分 値が下がることを心より祈ります)

政府は、「直ちに健康に影響はないレベルである」という言い回しをしますが、それはそうでしょう。しかし一方で「その場に住み続ければどうなる」ということはひとことも言及をしていません。「直ちに影響がでないので、今のうちに待避せよ」というのなら話は分かりますが、そう言う話にはなっていません。待避エリアに含まれない,でも放射線の影響を受ける可能性が高い,30Km圏外の地域の住民はどうしたらよいのでしょうか。

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110323k0000m040075000c.html 

23日の午後9時になって原子力安全委員会がようやく出してきた(専門家の批判を受け,アメリカの予測発表の後にようやく出してきたという状況)放射能拡散予想によれば、12日から24日まで1日中屋外にいた場合,30Km圏外でも、累積が100ミリシーベルトに達する可能性を示唆しました.新聞に掲載された図を見ると、いわきの場合は,市の境界線から中に13〜4Km入ったところまでそのような地域に一部入っています。飯舘や福島は原発からの距離はいわきより遠いです。一方放射線量はより高いのですが、避難エリアには入っていません。これは風向き,地形により、30Kmという数字が絶対的ではなく、あまり意味を持たなくなっているだろうことを意味しているのではないでしょうか。これは福島の各地で計測された実際の放射線量および、原子力安全委員会自身が示した拡散予測データであきらかでしょう。

政府はこの予測データは非常に厳しい条件でだしたもので、あまり心配しないでと言っていますが(実際は人々は屋内にいるはずだから4分の1から10分の1の影響しかないと言いたいらしいです),こうした命に関わる基準は一番きびしい基準でやってほしいものです。 また、そのようなデータを活用しないのであれば何のためのシステムなのでしょう? 事業仕分けされてしかるべきものということになります。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38496  読売新聞より

国,県,市といった行政はいわき市民の命,健康を守ってくれるのでしょうか? 「直ちに健康に影響はない」はどうとらえればよい言葉なのでしょうか?枝野長官は「安全だとは申し上げてない」とのことです。原発問題の早期の収束を祈るばかりですが、長期化するならば、行政に動いてもらわねばどうしようもありません。原子力安全委員会のトップは昨日、事故後「初めて」会見を開きました。(-_-) 放射線の拡散予測データを昨日初めて出しました。(-_-) このような意識の安全委員会に任せていて本当に大丈夫なんでしょうか???? わからなくなりました。


英語の表現 Japan Times 3月24日版より
1) But government officials once again stressed there were no immediate health risks.
2) Even if people have already consumed the listed vegetables and milk, their health will not be endangered and the orders (出荷制限などの命令) were given as "念のため precautionary" measures.

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