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2009年12月11日 (金)

0251- 091210 教師の覚悟

いわゆる進学校には「自分でやる気にならなかったらダメだ。強制されて勉強しているうちはダメだ」という考えが根強くある場合がある。これは3年生および、1,2年生でも難関校をねらっている上位層にはあてはまる。しかし、勉強するプレッシャーが弱い1,2年生の中間層以下にこの考えをあてはめるのはかなり厳しいものがある。

エンゼルバンクという漫画がある。ドラゴン桜を描いた作者の別の作品だが、最新号で「目標と計画を混同するな」と書いてあるのが目にとまった。曰く、日本軍が負けたのは「絶対に勝つ」という目標だけが一人歩きし、これを計画と混同したことにあると言う。「絶対に勝つ」は単なるスローガンにすぎず、How?と言う視点が圧倒的に欠けていたというのだ。どのように勝つか?方法論は?そこを無視したから無惨な結果に終わった。(勝ち負けに関係なく、戦争は無惨ではある)

教科指導も同じで、「生徒の自主性にまかせる」は単なるスローガンに過ぎず、どうやって生徒の自主性を引き出すかという計画は別に立てねばならない。それがないならば生徒の自主性もへったくれもないのだ。教育でもなんでも目標をどのように達成するか指導計画が必要なのだ。

そして目標とは、「教員側が作ったCAN-DOリストにしたがって、ある一定ライン以上のリスト項目は全員が達成できるようにする」ということである。生徒ができるようになったか、ならなかったか、達成できたかできなかったか。それだけである。全員が達成できるようするにはしつこい追指導が必要となる。授業での理解のさせかた、宿題の提示・回収、小テストの実施、追試、追追試、職員室での暗唱テスト。これが達成のための基本計画となる。「教員の顔はにこやかに。でもやることは妥協無く。」というのが理想だ。

今私は母校で教えているが、昔は部活動に入っているから勉強ができないなんて言おうものなら、親や教師にはったおされた。「できないのは自分が悪い。できるように努力するのは自分のため。」追試はやって当たり前、部活に迷惑をかけたくなければ一発で試験に合格する。この当たり前の感覚が教師や生徒、親も共有していた。私の父も同じ高校の英語教員であった。テストもがんがんしていたという。部活をしていようが妥協はしなかったと言う。生徒も教師もそれに異を唱えるものはいなかった。私も恥ずかしながら数学のテストは追試までうけていた口である。先生方が一生懸命だったから文句を言う筋合いではなかった。

教師の仕事は生徒を出来ない状態から出来る状態に変えること。最大の努力はするが、それは授業だけでは無理なのだ。4時間で英語ができるようになるか?無理である。授業は道場のようなものと考える。やるべき努力の方法は教えられる。しかしあとは自力で練習してもらうほかない。そして達成できなければできるまでくり返しやらせるより方法はない。

どうしても譲れない部分に関して、部活動の生徒を特別扱いは絶対すべきではない。そんなことをすれば指導のぶれを生徒に見透かされてしまうだけである。同じ事を部活でやるとどうなるか、一流の部活指導者ならすぐわかるだろう。1,2年生のうちは理由を説明し、徹底して反復させる。3年生になって夏前のあたりで自分のスタイルができればそこで手を離す。出来る生徒は課題などを出しつつしっかり面倒をみる。しかし、中間層、下位層も見捨てない。いわゆる課外以外の勉強会を設定したり、追試等でしつこくやるのは部活動をじゃましているのではなく、全員力をつけてもらうという教師のメッセージであるということをしつこく伝えるべきであろう。うろ覚えだったところをわかるようになる、できるようになる機会を増やしてくれているということである。

部活は私は大いに勧める。しかし、それは、自力で学習が進められるというのが最大の前提である。授業中寝たり、達成テストで点数がとれないなら、それは部をやめるしかない。部に迷惑をかけるのがいやならやるべきことはやらねばならない。そしてこういう当たり前の感覚を教員全員が共有できている学校が結果を残すのだ。

木村達也先生がおっしゃっていることがある。「灘でも『家でやってこい』では通じない。だから僕の目の前で暗唱させて、できたら帰ってもらう。できないならできるまで残ってもらう。妥協しなければ結果はでる。」肝に銘じたい。

 

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英語指導法」カテゴリの記事

コメント

初コメントです。
いつも楽しみに読ませていただいております。
昨年の教師塾in東京に参加していた
福岡3人組のうちの1人、と言えば
思い出していただけるでしょうか?

本日の記事、
頷きながら読ませていただきました。
共感すると同時に、
自分の勤務校が「部活偏重」に向かっているのが
改めて心配になってきました。

顧問の先生が率先して
「免除してやってくれん?」
と言われるのを見ると…。

またお会いした暁には、
いろいろお話をお聞かせ下さい。
これからも期待しております。

投稿: K2 | 2009年12月12日 (土) 12時33分

K2さん、いらっしゃい。

部活動顧問の先生とは情報交換をしておくといいかもしれません。あの生徒はここの大学を希望して居るんですけど次のテストは追試うけなくてすむように先生からも一言お願いしますと。

投稿: エンゾ | 2009年12月12日 (土) 19時52分

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