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2009年6月18日 (木)

0218- 090618 分けるとまとめる

 英語の授業に限らず、分けるとまとめるは、学習にとって極めて重要な考え方です。私たちは未知のことがらを勉強するとき、少しずつ、分けて学習していきます。完了形の3つの用法、不定詞の用法、動名詞と分詞などです。これはスモールステップと言って、理解するためには一足飛びではなく、こまかい段階に分けた方がわかりやすいという原則に則っています。

 ところが、細かく分けすぎると今度はわけが分からなくなってきます。完了形の用法を完了、継続、結果と分けるのはいいのですが、その用法を貫く重要な考え方を見落としてしまうのです。完了形は「今どうなのか」を強烈に意識している点と、「過去から現在まで」ーというように時間を「線」でとらえている点で過去形とは対をなしています。このような視点を獲得すると、おおっ分かった! となるわけです。つまりものごとを教える(学ぶ)際には「細かく分ける」と「まとめる」という作業が同時に必要になります。

 次はキムタツ先生のブログからの引用です。


This bridge is 10 meters
longer than that.とI have no more than 500 yen.を分けるのも解せん。
僕の場合、たとえば比較をやるときに黒板に次のように書く。

This bridge is much longer than that one.

This bridge is a little longer than that one.

This bridge is three times longer than that one.

This bridge is 20 meters longer than that one.

This bridge is no longer than that one.

こんな感じで比較級の前に置かれた語句は全て「差」を表すのだということを
理解させる。そうすればno more thanもno more~thanも理解しやすい。

引用終わり

どうでしょうか。木村先生の文法指導を推察するに、

「他の文法事項と新出の文法事項はどう違うのか」比較しつつ(この部分が分けるに相当)、
「その文法機能のイメージを大づかみで教えて導入」してしまう。(この部分がまとめるに相当)

ことをなさっているようです。

上記の比較級の教え方のように、まとめて教えてしまえるところはどんどんまとめていいわけです。そうすると今までばらばらに覚えていた知識(ばらばらに教えていた知識)をひとつにぐーっとまとまって「するっと」理解できてしまうわけです。

覚えなければならない文法事項がばらばらで100あるとします。100! これはしんどいですよね。それが20の重要な考え方・ルールを覚えれば残り80を応用できるとすればどうでしょうか。こんな楽なことはありません。しかも定着率もよくなります。イメージで言うと、カギが20個!あるけど、カギ束で全部つながっているイメージとでも言ったらいいでしょうか。これは生徒のなるほど感が強くなります。

もう一つ例をあげましょう。
look forward to...ing と stop ...ing 、mind ..ing もばらばらに覚える必要はありません。 ...ingのイメージは「具体的な身の回り感があること」です。

「いきいきと今おこなわれていること」 like ...ing / stop...ing
「現在心でいきいきと具体的に思い描いていること」look forward to ...ing
「身に迫っていること」avoid ...ing
「経験が今までにあること」remember ....ing

 ぜんぶ「具体的・身の回り感がある」ということでまとめられますよね。
 ただここで終わらず、他の文法項目と対比して、分けることもします。

「具体的、身の回り感びんびんな」動名詞に対し、不定詞は、「ばくぜんとしたこと・これからのこと」です。目の前の特定のことを表すのには向いていません。よって一般論に使われます。私たちは他人事のように、 It is difficult to study English. [英語の勉強って難しいよね]と言い、一方でI have difficulty studying English. [英語を勉強しているんだけどさあ苦労しているんだよね。」と言ったりします。(ただしこのvingは分詞とらえることもできる)対比すれば、具体的なVingに対し、不定詞のばくぜん感が感じられるでしょう。I have no time to study English. も to study Englishは具体的な行動ではありません。

このように「分ける」と「まとめる」はともに教える技術の対をなす重要な考え方なのです。

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