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2009年4月29日 (水)

0195 -090429 文脈をつくるものは何か?

 試験対策でよく言われる、「文脈を利用せよ」という文言がある。確かに試験でも文脈を問う問題が出る。しかし文脈とはいったいなんだろうか。受験生に読み取らせようとしている文脈にはどのようなものがあるのか、その読解力を試すのにどういった設問がつけれられるのか、またその解法をみていきましょう。

 まず私なりの文脈の定義を述べたいと思います。

①同じ事を異なる表現で言い換えた部分 
②対比や逆接の部分 
③原因に対する結果の部分 
      

—同じ事の言い換え部分—
例えば次の文をみてみよう。
「義男は頭がいい。彼は東大の問題もすらすら解く。」

この2つの文の関係は「同じ事を言い換えているだけ」の関係だ。ただし、まったく同じではなく、第2文は抽象度を下げて具体的に述べている。そして設問を作るとしたら次のようになる。

(  )内に入るふさわしい語句を選んで書きなさい。
「義男は頭がよい。東大の問題を(     )
 A) すらすら解く  B)全く解けない

 設問は、=の関係ができている所に作られている。2つの文が結局イコールの関係にあると気づければ答えは当然Aになるだろう。英文は「抽象度を変えて同じ事をくり返す」。主張はどうしても抽象的になりがちだ。それを「具体例」をくり返し述べることで説得力を増そうとしているのだ。大事なのは、抽象度は違えど、結局どの文も「同じことを述べている」ことに気づけるかどうかだ。

 例 (抽象)     義男は頭がよい。
   (具体)     東大の問題をすらすら解く。
   (さらに具体) 数学は特に得意で東大の問題でも40分で解き終わる。

—対比や逆接の部分—
 次に対比や逆接も文脈を作る。片方が分かれば、簡単にもう片方の主張も理解できる。
 よって、対比逆接関係がある部分にも設問は設定されやすい。答えが明確に導き出せるからだ。

 

「義男は歌がうまいが、武雄は(   )」
 A) 歌がうまい   B)音痴だ

  また、対比や逆接のディスコースマーカーをはさんで前と後の文では、「後の文」の方が強調される。したがってその後の展開も、後の文について抽象度を落としながら、具体化、具体例、理由などが述べられていく。

例 義男は歌がうまいが、(強調)武雄は音痴だ。
                

前に英文では「同じ内容のことを抽象度を落としながらくり返し述べる」性質があると述べた。ところが、「in addition」などの「列挙のディスコースマーカー」が登場したとたんに、英文は同じ内容をくり返すのを止め、全く新しいデータ・具体例を出し始めるのだ。このことは非常に重要であると思う。これを知らないと、下の例では、具体1と具体2が全く別の並列関係だと見抜けなくなるからだ。(具体1)と(さらに具体1)は結局同じ事を言っているのにすぎない。そこに新データが出てきますよ!という列挙のディスコースマーカー in additionが登場する。カラオケのエピソードはそこで打ち止めにして、(具体2)「音楽の授業が嫌い」の話を始めている。

例 義男は歌がうまいが、(抽象)武雄は音痴だ。
                (具体1)カラオケに行っても武雄は絶対歌わない。
                  (さらに具体1)先日は4時間いて1曲も歌わなかった。 

                                          in addition

                 (具体2)音楽の授業は大嫌いだ。
                  (さらに具体2)皆彼の歌を笑うからだ。         

—原因と結果—
 もうひとつ文脈をつくるのは、原因と結果である。

「義男が洋子とつきあいはじめたので、佳子は(    )」
 A) インターネットをした B)ショックを受けた

以上、この3つが「文脈」の正体、つまり文のcoherencyとも言われるものではないだろうか。

そしてこの3つで、下線部説明問題、未知語類推をはじめ多くの問題に対処できるのだ。

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