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2008年10月18日 (土)

0173- 081018 Macの英文読み上げを英語教育に使う - Apple Scriptの活用

say "[[rate 200]]to be or not to be [[slnc 2000]]that is the question. [[slnc 2000]] At the edge [[slnc 2000]] of a great forest [[slnc 2000]] there lived a brother and sister [[slnc 2000]] named Hansel and Gretel." using "Agnes"

現在コンシューマー向けパソコンでは、Windows XPや VISTA,の英語音声読み上げ品質を大きく引き離し、間違いなくトップにたつのが、Mac OS X 10.5 (通称 Leopard)。ネイティブなみの音質(声質?)です。

Leopardの英語読み上げ機能を使い、リーディング、リスニングに効果的な音声教材を作ることが可能になりましたが、それをさらに英語教育的にアップグレードする方法が見つかりました。それはApple Scriptを利用すること。これにより、

1)ネイティブに近い発音で 
2)読み上げ速度を自由に変え、
3)すきなところで好きな時間だけポーズを挿入させる 
   ことが簡単にできるようになります。

つまり、次のような細かい指定をしながら英文読み上げが可能になります。[読み上げ速度1分間に150wpmで] At the edge (1秒ポーズ) of a great forest (2秒ポーズ) there lived a brother and sister (3秒ポーズ) named Hansel and Gretel.

まず、Macに付属のApple Scriptを起動しましょう。アプリケーションフォルダーの上のほうにありますよ。そこから、スクリプトエディターを選び、起動します。すると、真っ白な画面が出てきますので、次のスクリプトをスペースなど入れずに最初の一文字目の位置から入力します。面倒なら、コピーしてみましょう。そして実行ボタンを押すだけ。

say "[[rate 200]]At the edge [[slnc 2000]] of a great forest [[slnc 2000]] there lived a brother and sister [[slnc 2000]] named Hansel and Gretel." using "Alex"

どうでしょうか。流ちょうな英語がポーズ付きで、きこえて来たでしょう。

次にどういうスクリプト構造になっているか、自分でいじれるように文法を学びましょう。

第一段階 まずは英文を読み上げさせましょう。
say "読み上げたい英文テキスト"

第二段階 読み上げ速度を変える方法です。
say "[[rate 200]]読み上げたい英文テキスト"

  * [[rate***]]で速度を変えられます。
  *200のかわりに140と入力するとゆっくり読まれるのがわかります。
   数字は任意のものでOK。

第三段階 すきなところに、好きな秒数だけポーズを挿入する方法です。
say "[[rate 200]]読み上げたい英文テキスト[[slnc 2000]] 英文のつづき"

  *[[slnc 2000]] を文の途中に入れるとそこでポーズが挿入されます。
  *2000という数字は2秒を意味します。1秒なら1000。3秒なら3000へ。
  *これってすごいことです。ポーズの長さを0.001秒単位で調整できるのです。

第四段階 Nativeなみに読み上げてくれる音声=Alexを指定します。
say "[[rate 200]]読み上げたい英文テキスト[[slnc 2000]] 英文のつづき" using "Alex"

  *using "Alex"と最後に入れます。Alex以外はダメダメなのでAlexを指定します。

できあがりがこれ。

say "[[rate 200]]At the edge [[slnc 2000]] of a great forest [[slnc 2000]] there lived a brother and sister [[slnc 2000]] named Hansel and Gretel." using "Alex"

それで、実行ボタンを押します。感動です。Alex君が、チャンクごとに、
しかもポーズを付けて英文をネイティブなみに読み上げてくれます。

もっと短いポーズを手軽におきたいなら、 その場所にカンマ「, ]を置きます。それよりさらに短いポーズは、"文字" と文字を囲みます。

一応OSX10.4でもできますが、10.5の Alex君を指定すべきでしょう。
NativeなみなのはAlex君だけなのです。

かくいう私はApple Script歴1日目。Scriptなんかぜんぜんわからない
私でもできちゃうのがマックのいいところです。(^^)

この機能を使って、単語を読み上げさせ、オリジナルの単語CDを作ることもOK。

試された方、もしよければコメント欄でご感想を。

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0172- 081018 単語集について

灘の木村先生によるユメタンが20日発売されるとのこと。楽しみです。

ユメタンのポイントは「1週間に100語の単語をくり返し反復すること」「覚え方をいろいろ工夫していること」「CDで単語チェックができること」らしいです。すばらしい単語帳になりそうです。

「1週間で100語反復」と「各単語について覚え方を変える」点は僕もこの1年間自分のクラスで実践してきたことなので、木村先生のお墨付きを得たようで大変心強いです。

1週間で100語を反復するメリットは何回かこのブログにも書いてありますし、「百式英単語(西東社)」にも詳しく載っています。

長期記憶を作るには反復が必要です。覚えたつもりでも忘れるのは短期記憶で終わっているからです。反復のためには音読がベストです。それも「単語ー和訳、単語ー和訳」という形で音読する形がベストです。1日10分〜20分ひたすら音読します。そうすると10分程度でも100語なら4周は練習できます。7日あれば4×7=28回は触れることが出来ます。「覚えた」と思ったときからさらにしつこくもう一押しすると長期記憶に生まれ変われます。

さらに音読のみならず単語によってあと一押しの覚え方を添えることも大切だと思います。記憶の強化には、語源、語呂合わせ、コロケーション、同意語・反意語・上位語・下位語、連想語などを教えます。これらはメンタルレキシコン構築に役立ちます。

また、yield「産出する、屈する」というような語義間の関係も示したいところ。例えば、単に「yieldは多義語だから産出する、屈すると覚えろ」と言うより、「yieldはもとは与えるという意味。→産み出す→相手に(道や勝利を与える)屈する」と覚えさせた方が記憶効率がよいと思います。多義語指導にはベネッセのE-Gateのコアミーニング的発想を取り入れるのも大事ですね。

百式英単語を不満に思う点は、2つ。レイアウトをすっきりさせたいせいか、各単語の情報がうすいこと。もうすこし、メンタルレキシコン構築につながるような情報や、上記コアミーニングを取り入れたらもっとよくなると思います。そういう意味では、竹岡先生のドラゴンイングリッシュ単語編(単語のイメージがわくわく!!)と、百式英単語の「1週間で100語反復の長期記憶メソッド」を組み合わせたものが、「ユメタン」発売前としては最強だと思います。「ユメタン」が、各単語の情報をどのように処理しているか、楽しみ。

最後に音声面ですが、発音記号とカナ表記はつけてほしいところです。読めなければそこで練習がストップしてしまうんですよね。以前のエントリーにも述べたように、長続きさせるためには面倒さを極力排除し、機械的に練習できるような仕組みをつくること(これを仕組み化といいます)

CDは絶対必要。理由1 発音アクセントを苦労せず身につけられる。発音記号を読んで発音する手間暇を省けます。 理由2 単語の意味を短時間でチェックすることが音声の力を借りることで可能になります。池田和広先生の単語の本に単語を2回ずつ読み上げるだけのCDがついてました。意味は無しです。CDには、例えば、「introduce, introduce, reduce, reduce,....」という風に2回ずつ間断なく単語が読まれて入っています。これがいい。CDに意味が入っていないとなぜいいか。まず第一にリズムよく高速に単語のチェックだけできます。一単語1秒として、60秒で60個の単語チェックが可能です。20分あればなんと1200語のチェックが可能になります。これなら朝10分、夕方10分で毎日チェックが可能です。単語本に意味は書いてあるのだからCDは発音アクセント確認と、意味を確認するだけの機能があればよいと思います。

いずれにせよ語い力増強は大切。「ユメタン」に大いに期待しましょう。

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2008年10月 1日 (水)

0171- 081001 おくりびと

映画「おくりびと」を観て

これほど「人の死」をユーモアと温かさと静謐さと厳かさで表現している映画を観た記憶がない。最後は大声で泣きたいのを本当にがまんしなければならず、終わった後も感動でしばらく動けなかった。まちがいなく今年度ベスト1いや生涯でも3本には入るだろう素晴らしい映画だ。この映画を作ってくださった滝田監督、本木さん、山崎さん、広末さん、そして本当に素敵な音楽を作り上げてくださった久石さんには本当にいい映画をありがとうございましたと心から感謝したい。またこの作品を選んでくださったモントリオール映画祭の審査員の方々にも感謝したい。でなければ「納棺士」の映画はみなかったかもしれないから。英語タイトルは Departures だが、おくりびとというタイトルのほうがしっくりくる。

映画そのものに話をうつそう。

とにかく「納棺の作法」が素晴らしい。死者に最大限の敬意を払い、限りなく優しくしかし精密に、厳かに死者を送り出す作法を行う本木さんの姿は限りなく美しい。しかしそれ以上に美しく感じたのは山崎努さんの納棺の作法。作法というのは相手を大切に思う気持ちから出るもの。その技をつきつめていくと、厳然たる美が姿を見せ、人を感動させる。映画途中の作法は、山崎努さん演じる社長のほうが格段に上である。本木さんの納棺の作法が美しいのは無心の美だとすると、山崎さんの作法は慈しみの美である。これは彼がある経験をしていることによるものだ。ところが最後の最後に本木さん演じる主人公がついに社長の作法の域に達することになる。私は涙がとまらないシーンであった。ぜひできればよい映画館で観ていただければと思います。

映画を観て感じたこと

僕は今42歳。納棺の儀はみたことがないが、きれいな死化粧をした遺体を間近で見たことが2度ある。一度目は生徒の姉が亡くなったとき。家の近所でもあり、通夜に参加させていただいた。本当にきれいでまるで生きているようであった。家族の悲しみと葬式の準備であわただしい親族だけが彼女の死を物語っているようであった。

二度目はおばの葬儀の時。結婚したが必ずしも家庭が幸福だったとはいえない人で、闘病生活を繰り返してきたかただった。ときどきこのおばの人生とはなんだったのだろうと思うことがある。子供や孫にも恵まれたが平穏な人生だったのだろうか。でも、最後に見た顔は本当に穏やかなものであった。

納棺士という職業があることはついぞ知らなかったが、もし死が自分の身にふりかかるとしても、自分の人生はもっくんのような人に美しく終わらせてもらいたいと思わせる映画であった。人生を半分以上生きた今だから、また親を本当に大切に思う時期であるからとくに強くそう思う。10代でこの映画を観た場合と、40代、50代でこの映画を観た場合ではおそらく観方がかわるかもしれない。今この映画を観れて本当にラッキーだったと思う。

親しい人の死は「家族って何か」「幸せとは何か」「死ぬって何か」というキーワードを私たちに強く思い起こさせる。不謹慎かもしれないが、近しい人の死があって私たちは生きている間の大事なものを忘れずにいられるのかもしれない。それは限りある生の大事さかもしれないし、家族の絆かもしれない。「おくりびと」はそんなことを考えさせる、温かくも静かな、そして感動的な映画であった。

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