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2008年8月13日 (水)

0153- 080813 単語学習くり返しのシステム

前回のエントリーでも書きましたが、効果のある語彙学習方法は、1)リスト型の単語集で 2)1週間に100〜200語程度同じ単語をくり返し音読することです。

1)に関してですが、英文の中で単語を覚えるのは、Z会の速読英単語でものすごく流行りました。でもこれは、単語を効率よく覚える点から言えば、非効率なのです。脳科学の観点から言えば、人間は労力を非常に要する活動をやりたがりません。当たり前です。単語を覚えるのにまず読解をしなければならないのはこれにあたります。速単は読解専門の本でもありませんので説明もくわしくないことと、生徒の学力に応じて最初の方に抽象度の低い英文をもってきているわけでもありません。つまり単語を覚えるのに抽象度が高い文を読まねばならず、多大なる労力を生徒に課す単語本と言えます。学力がある生徒ならいざしらず学力のない生徒にとっては敷居が高すぎるのです。力がつかないとは言いませんが、単語を学習するのにそんなに苦労をせなあかんの?という生徒の気持ちは理解できます。

また読解は読解、単語は単語で覚えた方が受容語彙を覚える効率がよいことは Nationをはじめ語彙習得理論のエクスパートも認めています。僕もそう思います。例えば、eraserけしごむという単語を覚えるのに難しく長い英文はいらないですよね。僕なら、pencil and eraserで覚えることを進めます。(メンタルレキシコン理論から)語彙の習得にターゲットをしぼっていない、速読英単語系の勉強は、読解力養成、覚えた単語のチェックにはいいと思いますが、単語習得の効率という点からはきびしいものがあります。その点、リスト型単語集はやるべきことが決まっています。淡々と、読解という大きな支障もなく学習が進められます。以前このブログでも紹介した、泉正人さんの仕組み化の話とも合致します。単語学習は面倒なもの。読解というさらにめんどうくさいものを追加するのは得策とは言えません。単語学習のメインはできるだけシンプルなシステム(=リスト型)で行う方がいいわけです。

2)ですが、単語を長期記憶に入れるためにはくり返し学習がどうしても必要です。それも1週間に100語がベスト。50語だと少なすぎ、200だと人によっては多すぎます。毎日七日間、同じ100語の単語に関して 単語→意味 と音読します。できれば2回ずつ。それを一日10〜20分継続。すると、100語の単語ならば、1日に4回ほどは繰り返せます。7日間で28回!くり返しでき、海馬くんが「これだけ短期間にくり返しはいる情報なんだから、長期記憶するにたる情報だ」と判断するわけです。また100語という数字にも意味があります。単語の「貯蓄額」を計算しやすいのです。どれだけやったかわかるし、あとどのくらいやればいいのかわかりやすいので、目標が立てやすく、やる気に結びつきやすい数字と言えます。

逆にやってはいけないのが、短期記憶で終わる学習法。1日20個、7日で140個覚えるという方法。かけた時間分の効果は全く得られません。くりかえし、くりかえし同じ情報がはいってこないと長期記憶にならないからです。

そう考えると1週間に100語くり返す方法であっても、最初の方に戻って、できなかった単語はくりかえしくりかえしチェックする方がよさそうです。記憶のメンテナンスですよね。

ともかくこの方法の一番いいところは、作業をするにあたって何の迷いもなくできるという点。何も考えず、さくさく学習が進むシステムが結局は一番効率がいいと思います。

また単なるくり返しだけでは不安だという人のためには、1)チャンク 2)反意語、同意語、連想語 3)語源 4)語呂合わせ などで記憶を補強する方法と組み合わせるのがベストです。

1)ですが、provideは、provide A with Bの形式で覚えておいて欲しいです。ですから単語帳にはそのようなチャンクで載っているのが正しいです。2)hugeなら、small反意語、big同意語、whale連想語などと単語のネットワークの中で覚えるのが吉。ただし、欲張って、hugeが新出語にもかかわらず、tremendousも覚えようというのは×。語彙習得の阻害要因になります。逆にtremendousを覚えるときに、既習語のhugeとドッキングさせて覚えるのはメンタルレキシコン構築に役立ち、吉。3)predictなら、pre(前もって)dict(言葉を述べる)=予言する と覚えるのが吉。ラテン語、ギリシャ語由来の学術語はけっこうこのやり方で覚えられます。 4)contemplateならどうでしょう?語源に分解もできますが、難しすぎたり、記憶のひっかかりには使えない場合もあります。そんな時は語呂合わせが有効。(こん)きつねが あぶらあげの (てんぷら)を食べるべきかたべないべきか「熟慮している」と覚える こともできます。このように、4つぐらいの記憶のひっかかりの作り方を知っていると、単語の意味をすっと引き出すことができやすくなります。必ずしも一つだけの覚え方にこだわる必要はありません。覚えられればOKです。

さいごになりますが、アウトプットの話を。以前脳科学のエントリー(茂木健一郎氏、鶴の恩返し学習法)でも書いた通り、インプットだけでは効果は薄いです。意識的にアウトプットしなくてはいけません。単語学習ではそれは「意味を隠してみて、1秒以内に言えるか言ってみる」です。脳の中に入れる、脳から出す。このくり返しが記憶を強化します。強制的にアウトプットする方法として、音声CDを作ってしまう方法があります。ただしキクタンなどにあるような 英語→日本語 ではなく、英単語を2回連続して読み上げるだけのCDです。例 huge, huge, contemplate, contemplate ....... これって結局アウトプットするには最適なんですよ。答え(意味)を自分で言わなくてはなりませんからね。作り方は簡単。Macを持っている人なら Applescriptを使えば、単語を読み上げさせられる上に、iTunesや、Garagebandで読み込めるaiff形式で書き出しが出来ます。ポーズの時間設定も思うがまま。OS 10.5 Leopardの英語読み上げ機能は秀逸なので使えます。

まとめます

1)同じ100語の単語を1週間
2)単語と意味を2回ずつ音読
3)覚えが悪い単語にはし


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