0127--08217 be to 構文
be to 構文はどう教えるべきだろう?
義務、運命、予定、可能、意図?
ビート(be to)たけしはギヨウカイジンと教える?
いやいやこれでは参考書に書いてあることの
羅列に過ぎないし、そもそもこんな分類を
ネイティブがしているのか?
そうではあるまい。
高校生にとっては
be to 構文は、「べき」「できる」「〜することになっている」「するつもり」ぐらいで良いだろう。和訳練習をしたあとで、「自分の意思でなくやむを得ない理由によるときに使う」ぐらいでまとめてどうか。
ではなぜこのような意味になるのだろう?
to不定詞の意味に戻る。これは「ある方向へ向かう」という意味だ。ある方向へ向かうのは「〜しなければならない」からだし、「〜することになっている」からだ。「〜するつもり」「〜する運命」だからでもある。
一件willでもいいではないかと思うかもしれない。しかし、普通の未来と違う点は、「自分以外の誰かまたは運命が予定を決めている」点だ。
Prime Minister Fukuda (is) to Visit U.S. なら....
「福田首相アメリカ訪問予定」です。
ここに首相の意思は感じられない。誰か官僚が予定を決めたという感じだ。よって個人が自分で決めた予定は be to Vを使わず、be going to Vを使います。
確認しましよう。私用に関することなら
I am to go to N.Y. next week.とか、
I am to marry her next month.とかは言えません。
自分が決めたのではなく、運命または第三者によって決められたレールの上を走っている感じがするためです。公式訪問などは、総理でなく周囲のものが決めた感覚
があるのでこの表現は使えます。
"You are to do your homework before you watch TV. "
この場合、子供が主語であるのに、子供の意思は入っていません。子供に対し、進むべき方向・レールを指示しているのです。You must do.....との違いは、mustを使うと親のエゴ意見をごりごり押しつける感じになりますが、You are to...では、「確かウチのルールでは、おまえはTVの前に宿題をするんだったよね。」というニュアンスなので、こう言えば角もたたない?からです。つまり「すでに決められたことに向かうことになっているよね」というニュアンスから「義務・〜すべきである」という日本語訳が選ばれるわけです。
If your company is to survive, lots of employees must be laid off.
これは文法書では「意図・するつもり」という意味に分類されるでしょう。おそらく傾いている会社の社長に対し、経営コンサルタントが言った言葉ですね。ところが和訳に反し、ここでは社長や会社の意思は関係ないのに注意して欲しいです。結果としての和訳は「つもりである」になりますが、中身を見てみると、全く相手の意見など聞いていません。 「もしあなたの会社を「生き残り」という方向へ向かわせるなら、たくさんの従業員がレイオフされねばならない。」単に、「〜という方向に向かわせるなら」と言っているのにすぎません。
Not a soul is to be seen on the street.
これは、猛暑のためか、または戒厳令が敷かれたため、皆屋内にいることを強いられているような様子が浮かぶ。あるやむを得ない理由のため強いられて「人が路上にいるのを見られる方向には向かわないだろう(ことはないだろう)」といっている。これが和訳になると「〜できない」という意味になります。訳は本来の意味を表すための便宜上のものです。
まとめるとbe to V構文の特徴は、
○「Sの意思は全く関係がない」
○「あるやむを得ない理由やルールにより
SがVする方向に向かう」
そこから
「Sが〜べきだ」
「Sが〜できる(できない)」
「Sが〜することになっている」
「Sが〜するつもり」
という意味がでてくるのです。
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