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2007年12月26日 (水)

0107-071225 動名詞と不定詞の関係

不定詞は「これからすること」,動名詞は「すでにしていること」


動詞を名詞として使う点において不定詞の名詞的用法と動名詞は一見同じように見えます。しかし全くイコールではないのです。


不定詞には toがついてます。これは「ある方向へ向かう」という意味の前置詞toから来ています。 to Vで,「Vする方向へこれから向かう」という意味になります。ここから「これからしようと思っていること」「頭の中の漠然とした、抽象的な思い」というイメージがでます。ですから全く具体的ではありません。


一方,動名詞はVingの形をもっています。ing形のイメージは「もうすでにしていること」「実際に生き生きと身の回りで起こっていること」ということです。「活動形」と言ってもいいかもしれません。

I like / to play tennis. なら, 漠然と,「テニスをしてみたいなあ」 と頭で考えている状態です。
I like / playing tennis. なら, もうすでにテニスは何度かしているのです。

生き生きとした身の回り感がありますよね。テニスをしている具体的なイメージが頭にあり,「テニスをすることが好きだ」と言っているのです。


I like / to have brother. なら,漠然と,「兄弟がほしいなあ」と頭で考えている状態です。
I like / having brother. なら,もうすでに兄弟がいるのです。 

「兄弟がいるっていいなあ。」と言ってます。生き生きとした身の回り感がつかめますか?


Akira : I hate / having a headache. 実際に頭がガンガン痛くて,それが嫌だと言っています。  Yumi : I hate / to have a headache.   漠然と「頭が痛いって嫌なことよね」と一般論を述べてます。
  
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  Megafepsの動詞はなぜVingしかとらないのでしょうか?


★暑くて暑くてたまらず,まどをあけようとして一言。

Would you mind (my) [ opening the window ]? いやですか 私が 窓を開けること?
この場合,もう椅子から立ち上がって,窓に向かっているかもしれませんし,もう窓に手をかけているかもしれません。漠然と頭の中で考えているというよりは具体的な行動について述べています。身の回り感があります。 

★友人が夜一人で歩いて家に帰っているということを聞いて,アドバイス。

You should avoid [ walking on this street / alone / at night ].
友人は実際,家に夜一人で歩いて帰っています。身の回り感が感じられますか? 漠然と「夜,道を一人歩きすることは危ない。」と一般論を言いたいなら, To walk on this street alone at night / is dangerous. となります。

★準備に準備を重ねてきたコンサートを延期して一言。
  
We put off [ having the concert ].
頭の中だけでコンサートひらきたいなあと漠然と考えているのではなく,コンサート実現に向け,実際に準備を着々進めてきているはずです。身の回り感がありますよね。

  
★She stopped [ playing tennis ]. She gave up [ playing tennis ]. She finished [ playing tennis].

今していることをやめたわけです。身の回り感がびんびんです。 stop〜ingは「単に動作をやめた。」give up〜ing は今までしてきたことを「何かの事情であきらめた。」 finish〜ingは「ずっと〜してきて,今し 終えた」です。


では,「私は教師になる夢をあきらめた。」だったらどういうのでしょう?これは未来の事ですよね。
この場合ingを使いません。 I gave up my dream / (to be a teacher). と,目的語にはmy dream とかmy planなどをもってくればよいのです。

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The airconditionar needs reparing. VS The airconditionar needs to be repaired.

このうちどちらも話し手がエアコンの修理を必要と考えているのはまちがいありません。 reparing は日本語だと「修理」にあたるでしょう。限りなく名詞に近づいたと考えればいいのです。 今までの話題の流れからすると、 repairingと to be repairedの間には少しニュアンスの違いがありそうです。 修理が切迫しているのはどちらでしょうか。 これはrepairing だと思います。現実問題として、音がうるさすぎる、なかなか温度が上がらない(下がらない)という問題を抱えているようです。「今このとき修理が必要だ」と身のまわり感がひしひしと伝わります。 対して、 to be repaired も問題は起こり始めているのですが、 reparing ほどの切迫感はなく、「今後修理が必要だな」という感じでしょうか。 
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次に 他の動詞についてとりあげましょう。これらは少々やっかいです。
 
to Vはまだ実行せず頭の中にあること、 
Vingはもう頭から取り出して実行している(した)こと、または実際身に迫っていることと考えます。


★Don't forget ( to post / posting ) the letter. は、「手紙を投函すること 」はまだ「頭の中にあり、実現されていないことですから to postになります。

★I remember his ( to jump into the river from the bridge / jumping into the river from the bridge ). なら、「川に飛び込むと言う行為」は実行されたことですから 後者を選びます。

★She refused ( to marry him / marrying him). は、refuseに、「どうしても〜しようとしない」という意味があることから、自分の頭の中で「彼と(これから)結婚しょうとすること」というアイディアを否定しているわけです。refuse はto Vと相性がいいわけです。

★それに対し、 She denied ( to marry him / marrying him). だれかから、「彼と実際結婚しているでしょ」と言われたんですね。「(実際に)結婚しているということ」を彼女は否定したわけです。deny(否定する)は Ving形と相性がいいわけです。当然 marrying him.を選択します

★She narrowly escaped being run over. 「彼女はかろうじて車にひかれることを免れた」の意味です。みなさんは、「彼女はまだ車にひかれてないから、to Vを選択するのは?」と思ったことでしょう。ところがそうではないのです。頭の中の抽象的な行為ではなく、実際にひかれかけたわけで、かなり身にせまった具体的な行為と言えます。 escapeのうしろはVingで言わないといけないゆえんです。

★look forward to...のうしろはなぜ Vingなのでしょうか?
 これから〜することを心待ちにしている なら to Vでは?と思うでしょう。でも、例えば ディズニーランドに行くことを心待ちにする場合、あそこにも行こう、あれも乗ろう、と心の中でかなり具体的に行動をイメージしているはずです。ディズニーランドに行きたいなあと漠然と考えているなら、I'd like to go to Disney land.ですが、ガイド本を読んだり、バスの手配をしたり、あそこに行こう、あれに乗ろうと何度も考えたり、準備するのはかなり具体的な行動です。よって動名詞を使うのです。これは consider ...ingにも同じ事が言えます。あたまの中でくり返しくり返しかなり具体的に考える(熟考する)ですから、considerも、look forward to..同様、Vingがふさわしいのです。

大西先生 ネイティブスピーカーシリーズ、その他より引用

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英文法ー準動詞(不定詞、動名詞、分詞)」カテゴリの記事

コメント

like to do と like doing は意味に差はないとインフォーマントたちは英米人とも答えたそうです。
難しいですね。 河上道生さんはそういってます。

投稿: gollyyolly | 2010年1月20日 (水) 20時37分

like to doとlike vingについて改めて考えてみました。

like to do とlike Vingに意味の差はないと多くのネイティブは応えるでしょうね。めくじらをたてるほどの違いはないと僕もそう思います。特にアメリカ人は気にしないようですよ。意味的にかぶっているところも多く、同じと思う人が多いんじゃないかなと思います。ただイギリス人の中には気にする人がいるようで、Like to doは選択的、未来的、like Vingは習慣的と書いてある辞書が多いです。ロングマンのコーパスを使った語法辞典も同様の書き方でした。手元にある最新の辞書はどれもコーパスデータを使ったものですから信頼性はあると思います。

オーレックス英和辞典では、like to do は選択や習慣が問題になるとき、like vingは現状を好ましく思うときに使う傾向があるとあります。アメリカではどちらの意味でも like to doだそうです。

アンカーコズミカでは、like to doは特定の未来的なことに言及することが多く、like vingは一般的・習慣的なことに使うとあります。

おもろしろいのはウィズダムで、コーパスの窓というコラムにこう書かれています。これは何億語というコーパスをもとにした精度の高いデータです。

主語がIの場合は、I'd like toが7割、I like to...2割、I like vingが1割だそうです。全く同じ意味というのなら割合が5分5分になりそうなものですが、そうなっていません。つまりそれぞれ使いやすい状況があるわけです。

ここでも2つの表現の間には大きな意味の差はないが、以下のような意味を示すことがあると書かれています。

like vingは楽しみで(よく)行っている行為、like to doは行為の選択・習慣。

I like traveling by air.ではふだんよく飛行機で楽しんで旅行しているわけで、I like to travel by air.と言う場合には、旅行するなら飛行機がよい。と選択する表現。

推測ですが、もともとは違う意味で使われていたものが、人々が使う内に一緒になってきているということではないでしょうか。ただ、厳密に意味の違いを考える人もイギリスには残っている可能性もある。

like to doとlike vingで考えると意味の違いはないかもしれませんね。でもwould like to...とならどうでしょう。vingには出来ません。

to VとVingにはもともと意味の違いがある。そう考えると、そう考えない場合と比べて日本人の英語学習には多大なメリットがあるような気がします。

どう思われますか?

投稿: エンゾ | 2010年1月21日 (木) 18時40分

いろいろと説明有難うございます。 大変勉強になります。 何しろネイティブでないので表現を感覚的に感じられないのが悔しいですよね。 コーパスで数字が出たからいくつかの表現の間にそれほどの違いがあるとは限らないとは思います。 たまたまそっちを使っている人が多いだけかもしれません。
よくわかりませんが I like traveling by air. という文だけを考えますと、この文も選択的といえるような気がするんですが。 「旅行するなら飛行機がよい。」は I'd like to travel by air. とならないんでしょうか? like to V と would like to V は違う表現と考えてはまずいでしょうか? 先生は本当に英語が好きなんですね。 私は英語は話せませんが、 英語おたくです。 でも、最近はこれではだめだと思いまたまた話せる英語について悩んでまーす。 どうぞよろしく。

投稿: gollyyolly | 2010年1月22日 (金) 22時17分

I would like to travel by air. はwouldが効いていますね。単なる動詞の現在形と違い、助動詞が入ると、「気持ち」がそこにこめられるのです。単に「好きだ」というのに対して、「できれば〜したいなあ」と選択の意味がより強くなります。この「より強くなる」というのがポイントで、数学でやった集合のときみたいにふたつの円がかさなっているところとかさなっていないところがあるといったほうがいいでしょうか。全く別の円ではなく、重なりがある円と考える方がいいと思います。ただ完全に重なっているわけではないから迷うわけです。

I like traveling by air. だって、状況次第では選択的にだってなります。例えば、旅行代理店で、船の旅をするか、飛行機の旅をするかパートナーと決めるときに、ぼそっと、I like traveling by air. 「僕って飛行機で旅するのが好きなんだよね。」って好みを言えば、この状況では、相手に「飛行機を選んでよ」選択を促すことになります。I like to...も状況次第で好みにも、選択的にもなります。

この場合も、I like to...と I like vingでは選択的か、好みかといったときに「状況次第でどちらにもなりうる」ということがでてきます。つまり言葉というものは、「絶対にこうだ」とわりきれるものではなく、かなりあいまいな、相対的な部分(状況次第で役割がかわる)部分があると思います。「俺は飛行機に乗りたいな」と「飛行機に乗るのがすきなんだよね」これを人が「同じ」と取るか、「違う」ととるかです。同じととる人が多いけど、そこにニュアンスの差を見いだす人もいる。その差を辞書では「選択的」とか「好み」とか説明していますが、そういう傾向にあるというだけで、太い線が2つの表現の間にひかれて、断絶しているわけではありません。結局言葉は相対的。そういうことではないかと思うのです。

>英語が好きなんですね。

僕も勉強中なんですよ。好きだから勉強するし、生徒には僕なんかよりもできるようになって欲しいんです。

投稿: エンゾ | 2010年1月23日 (土) 05時57分

先生、こんにちは。
ふと思ったんですが、
start to V と start V-ingはBBCによると
全く同じだと説明してるんですが、
もしそうだとすればtoは未来的、ingは習慣的とかではなかなか説明しにくいような気が。
全部に適用できない説明は学生には納得してもらえなーい。 困ったもんだ。 難しい。 さようなら。

投稿: gollyyolly | 2010年7月17日 (土) 21時51分

お久しぶりです。like to do, like Ving以来ですね。前にも書いたとおり、英語の表現の中には完全にラインがひけるものと両方にまたがる部分があるようです。

I will leave here before it starts ( to rain / raining ). ならどうでしょうね。案外to rainを選ぶ人は多いのではと推測します。10〜20ぐらいのネイティブスピーカーの意見サンプルがとれればいいのですが....これがフィフティフィフティぐらいであれば、どっちでもいいということになるでしょうね。

一つの文法法則について、100%「すべての言語サンプル」に適用できる法則があればいいのですが、そんなものはありません。ネイティブスピーカーのESLの教師であっても困ってしまうでしょうね。 (^_^;) あるのは、原則ルールです。

法則にあわない言語サンプルはやまほどあります。法則性を無視して無原則に教えることも生徒さんの負担を増すような気がします。私ならばもっとも広く適用できそうな原則ルールを話すことを選択するでしょう。

あなたはあなたにあたえられた時間を使って自分の生徒に何を教えて何を教えないようにするのか自分で決めねばなりません。 シラバスの中で線引きをしなければなりません。「不定詞と動名詞に違いはあるが、あるルールでは世の中にある言語サンプルをすべて説明しきれないのでは」ということでしたら、仰るとおりかもしれませんしそうであるとは限らないとしか言いようがありません。 結局、現実問題として、ある程度の原則をしめし、線引きするか、あるいはあなたがすべての言語サンプルに通じる法則をとことん説明しきるかしかありません。ただ、間違って使っているうちにそれが正用法になるものがあります。例 仮定法現在→「副詞節未来のことでも現在形」このように同じ文法用法にしても、時間差、地域差、世代間格差もばかにできません。

私には言語の文化的、時代的、あらゆる側面に照らし合わせて「完全に」説明しきるだけの知見はありません。私は自分が学んだ知見の範囲で現時点で生徒の学力伸長のために最良と思われる指導をいたします。現時点の指導法よりもっとすぐれた指導法があればそちらに乗り換えるだけです。それがもっとも現実的であると信じております。gollyyollyさんの指導法がよりよいと判断すれば採用するでしょう。

BBCのサイトには英文法についての質問コーナーがあります。私も5年ほど前から覗かせてもらっています。BBCの公式見解で載っているのであれば、かなり正確でしょう。かなり多くの人の意見として載っているならさらによいでしょう。ただし、掲示板の中でボランティアに近い人が1,2名そういっていたというならあまりサンプルとして信頼性はないかもしれません。どのサイトのどのコーナーにどのように載っていたか詳しく教えていただけるとありがたいです。

くどいようですが、言語は完全にここからここと線引きできるものでもありません。文法の限界を意識した上でなおかつ、その規則性を利用します。もちろん最良の説明を求め続ける必要はあります。ネイティブスピーカーであっても知見のない人の意見であればピントがずれますので十分注意する必要があります。

また、何を教えるか(何を教えないか)どこまで教えるか(教えないか)は目の前の生徒さんの学力とgollyyollyさんの授業の力量により決まるのです。

投稿: blue_enzo | 2010年7月20日 (火) 00時23分

たびたび貴重な意見有難うございます。 大変勉強になります。 で前々から思っていることですが、どうも日本では読むことにすごく重点が置かれているような気がしてなりません。 読むのも当然大事だと思いますが、話せなかったら結局趣味の英語(読む英語)で終わってしまいますよね。日本にいるフィリピンの女の子が日本語を上手に話せるように吾が日本の子供たちが少しでも英語を話せるようにするにはいったいどうしたらいいのか。 文部省は話せる英語教育について考えが甘いのでは?
因みに私は英語が好きで勉強してます(趣味として)が、英語はなかなか口から出てきません。 原因は話す練習が全然足りないと思ってます。 英語を話すって試練の技ですよね。 これを文部省が本当にやろうとしているのはちょっと理解ができません。 私は教師ではありまん。 先生は一生懸命指導しているのは本当に分りますが、今の高校の授業は結局は大學に入るための読む英語で終わっているのがもったいないとと言うか無駄というか。 日本は英語の話せる外国の人に負けてしまう時代が来ています。 文法がどうというより話せていくらでは。 頭がよくても英語が話せないばっかりに外国の人に負けてしまうなんてさみしい。 先生、つまらないこと言わせてもらいました。 私も英語が話せない世代です。

投稿: gollyyolly | 2010年7月23日 (金) 20時02分

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