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2007年12月22日 (土)

0102-071222 脳のしくみ

「脳科学の知見」を教育や授業に生かすことが,今期待されている。英語教育の今月の特集もそれだった。科学的に「やる気がおこる授業」「夢中にさせる質問作業」などがわかれれば非常に影響は大きい。向山先生の法則には注目していたが、科学的に解明されるとなると非常におもしろい。長期になると思うが、英語授業にいかせる知見を学んでいきたいなあなどと今考えています。今回は脳科学の初歩の初歩です。

脳の構造と働き

主な脳科学用語の説明

1 おおざっぱな脳
  脳の性質は、忘れやすい、おおざっぱ、間違いやすい、疲れやすい
 
  脳に入ってくるすべての情報をインプットすると,わずか数分間でいっぱいになる。そこで,脳は,「おおざっぱな脳」,「忘れやすい脳」を選んだ。そのため,授業・勉強では,「大局理解」し,細部に入る手順で行うのが脳の「おおざっぱな性質」にあった方法といえる。

2 海馬(図省略)
 海馬は,一時的な記憶の倉庫である。頭部の左右の側頭葉にある。形は,「タツノオトシゴ」に似ているので,英語で「シーホース」。入ってきた情報はこの海馬に,「一時記憶」される。最大1カ月,記憶が留まると言われている。この1カ月間に,同じ情報をくり返しくり返し,刺激すると,「長期増強」を起こし,「長期記憶」として「大脳皮質」に保管される。であるから3週間をめどに復習をくり返さないと長期記憶にならず終わってしまう。(ここから,復習の必要性が分かる)

3 扁桃体=扁桃核(図省略)
海馬の先端の方にあり,「好き嫌い楽しい楽しくないを判断している脳」と言われている。また,「感動」したとき働いているのもこの「扁桃体」である。「喜怒哀楽」等感情に関わるものは「扁桃体」が働いている。

4 側坐核(図省略)
 「やる気の脳」と言われている。この「側坐核の特徴」は,「やり始めないと動かない」という点である。だから,私たちが「いやいや掃除を始めているうちにあっちもこっちも気になりハマル」のはそのためである。動いているうちに,「側坐核が興奮」してきたからである。勉強はきらいだが、作業だけはやるという生徒もいる。つまりやること、目的がはっきりしている場合で、それが目の前にある場合、生徒はそれをやりとげようとする。これが向山先生が言う、「局面の限定」の最大の目的であろう。

5 脳内伝達物質(図省略)
 脳には,「神経細胞」と「神経細胞」の間にほんのわずかな「すき間」がある。それを,「シナプス」と呼び,そのすき間を伝達する微量物質を「脳内伝達物質」と呼んでいる。「神経細胞内」は,電気シグナルで動いているが,「シナプス内」は, 「電気シグナル」が化学物質の「脳内伝達物質」に姿を変え,「シナプス」の対岸の受容体にたどり着くことで「伝達」している。神経伝達物質は,百数十種類あると言われているが,現在確認されているのは25種類ぐらいである。その代表的なものは,「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」「アセチルコリン」である。

6 ドーパミン(図省略)
 脳を興奮させる「脳内伝達物質」の1つ。脳の外側にあるA10神経から「嬉しいとき」や「楽しいとき」分泌されるので,「快楽物質」とも言われている。

※前頭連合野
 考えたり判断する場所。
※視床下部
 性欲・食欲など本能的な部分の中枢。
※A10神経
 脳幹から始まり視床下部,扁桃体,前頭連合野に巡っている。

7 ノルアドレナリン
8 セロトニン
(図省略)

ノルアドレナリン
 脳を興奮させる「脳内伝達物質」の1つ。
 脳の外側にあるA系神経から「緊張したとき」や「不安になったとき」分泌される。

セロトニン
 脳の興奮を抑える「脳内伝達物質」の1つ。
 脳の内側にあるB系神経から「ホッとしたとき」や「安心したとき」分泌されるので,「やすらぎ物質」とも言われている。

9 アセチルコリン(図省略)
 「やる気の脳」である「側坐核」が興奮してきてはじめて,分泌されるのがアセチルコリンである。
 アセチルコリンは「やる気物質」とも言われている。

※前脳基底部
 この中に,マイネルト核があり,ここでアセチルコリンが大量に作られると考えられている。
 もちろん,アセチルコリンが作られているのはここだけではない。

10 ミラーシステム(図省略)
 =ミラーニューロン=ミラー細胞
 人間の脳には,人が行っていることを鏡のようにまねる運動神経がある。
 それを「ミラーシステム」と呼んでいる。
 そのため,相手と同じ動きができたり,図や表などをそっくりそのまま写せたりする。
 それだけではなく,相手が悲しそうにしていたり,痛そうにしていたりすると,共感もできる。
 そして,やがて,相手のことに共感できる回路ができる。
※ブローカ野……言葉を作り出す所
 角回……身体感覚を司る働きがある。

11 ワーキングメモリー(図省略)
 ワーキングメモリーは,前頭葉の46野にあり,一般に「作業記憶」と言われているが,最近,中央情報処理と作業記憶,さらに格納した記憶を引き出す働きもしていることが分かってきた。
 従って,思い出せないのは,このワーキングメモリーが少ないか,活性化していないためである。
 ワーキングメモリーは,普通7±2あるが,軽度発達障害のある人は,1つか2つしかないか,1つか2つしか働いていないと考えられている。

12 シータ波(図省略)
 5ヘルツ程度の脳波。
 まどろみ状態,浅い夢を見ている睡眠時にも確認されている。
 このシータ波は,新しい物に出会ったりして,興味を持った時にも生じることが確認されている。
 しかも,その時,少ない刺激でもLTP(長期増強)が起こる。
最近,そのシータ波が海馬に伝わると,神経細胞が神経伝達物質ガバを出し,それが神経細胞の元となる前駆細胞を刺激して神経細胞ができることまで分かってきた。

   作成者 /柏木 英樹

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コメント

本の紹介ありがとうございます。
早速買って読んでみます。
側坐核やアセチルコリン、セロトニン、ワーキングメモリーなど、授業にうまく取り入れられないかといつも悪戦苦闘しています。
今日は仙台の発表で側坐核とアセチルコリンを紹介させていただきました。これにあわせて、池谷裕二先生の著書や茂木健一郎先生のブログなどもどうぞ。面白いですよ。

投稿: りょう | 2007年12月22日 (土) 16時23分

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