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2007年12月10日 (月)

0097-071210 ひとりのチカラ、チームのチカラ

僕は基本的には年下であろうが、年上であろうが、どんなふうに教えるのか聞かれた場合、答えるようにしている。これはチームのチカラを信じるからである。

数年前の僕は、「自分は勉強してきた。だから他の教師が教えた生徒より、自分が教えた生徒の定期考査の点数が5点、10点いいのは当たり前」という感じの、いやな人間であった。今にして思えばとんでもない思い上がりで、井の中の蛙であった。

いまでも勉強を続けているのは変わりはないが、「自分だけがんばればいい。自分が生徒を伸ばすんだ。」という点は変わった。個人でできること、面倒を見られる生徒の数はたかがしれている。それより、教授法、ワークシートをしっかり共有して、点ではなく、「面=学年全体」で指導していった方が効果があがるとわかったからだ。このように考えが変わったのは、やはりカナダ研修で「ワークシートと教え方の共有を学校規模で進めていた先生との出会い」と、県の教科指導委員を2年間させていただいた経験が大きい。教師の個人プレーから、もうすこし大きな枠組みからものを考えられるようになったのだ。

このようなことから昨年からささやかながら情報交換の取り組みをしてきている。まずは自分から提案して本校の英語科の教員で指導法の交換会を行った。まだ、学年で1年間こういうワークシートでこういう取り組みをしたということの報告会に過ぎないが、まずは一歩は踏み出せた。そしていわき地区の英語の先生方の集まりでは、初めて各学校の実践をまとめた紀要を出すことができた。大勢の人に渡すため、PDFファイルでの配布とした。年下の先生には聞かれれば自分の方法は教えているし、年下の先生であってもよい取り組みに思えるものはねほりはほり聞いて教えてもらっている。

自分がときどきでかける予備校の研修会では、予備校の先生の授業を受ける機会がある。彼らは一人一人がライバルでもある。よってお互いの詳しい指導法はあまり知らないと言う。この業界でずっと生き延びて行くのは容易ではないから理解はできる。それに対し、学校の教師が一人で対抗しようとしても得られる効果は限定的である。教師の中には昔の私のように、「自分だけが特別で、すばらしい教え方をしている。生徒をのばせる。」と考えている人も少なくないだろう。勘違いしている人間もいれば、実際実力があるかたもいらっしゃるかもしれない。だがそれでも、その指導法では効果は限定的であると言っておきたい。スーパー教師が一人でがんばるより、そこそこ優秀な教師が束になって指導する方が結局生徒全体のためにはいいのである。

このように言うと、「指導法は一人一人違うし、先生がたの中でも指導に対する温度差があり、共有化は難しい。」という反論が当然返ってきそうだ。

このような人は3パターンに分かれる。最初のパターンは、現状を変えたくない人である。お山の大将でいつづけられなくなる。人に新しいやりかたをおそわる気力もない人。2つめのパターンはもうすでに自分のやり方がある程度できあがっているし、そのやり方に自信もあるので、いまさらやりかたを変えたくない人。今のやり方以上のやり方が目の前にあっても気付かない方である。そして3つめのパターンは周りの不勉強さに絶望感を抱いている人だ。「俺は私はこんなにできるのに、なぜ他の教師らはやらないのか?」このような人は人一倍勉強もしているし、その自負心もある人だ。しかし、与えられたちまちました環境の中だけでがんばり、学年全体の指導の向上を真剣には討議しようとはしていない。また、他の教師からは得られるものはないと決めつけている傾向もあるようだ。しかし、教える環境自体を変えて整えていけば、つまり他の教師と話し合い、教え方の共有をしていけば、教師集団としてのパワーは絶対あがるはずなのだ。一人が生徒に与えられるパワーより、3人、4人が与えられるパワーの方がもっと大きくなる。

私の知り合いの先生も、最初、指導法の共有化ができないかと悩んでいたそうだ。彼はあきらめなかった。目的を達成するためにとった行動は、自分がすべてのワークシートを作るというものだった。だから同じフォーマットで授業をやりましょう。ということだった。当初はかなりきつかったそうだが、最終的には全員が協力してくれるようになったとのことだった。きついが、生徒に与える効果が感じられたからだそうだ。

本来、最低限学年の教科の先生で、指導方針が共有できていなくてはならない。でなければ、学年で設定した目標自体がないことになってしまう。目標無くして達成無し。である。一年後、二年後、三年後に生徒にどういうチカラを付けさせるか。そういうイメージが共有できている指導のほうがを、各個人ばらばらでやっている指導よりパワフルになれるのは当然であろう。

一人のスーパー教師よりそこそこ優秀な教師たちのチカラを結集すること。一人よりチーム。

もちろん、これは一人一人がしっかりした学ぶ意欲をもっていることは前提とする。

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