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2007年11月10日 (土)

0085-071110 全英連福島大会終わる

実行委員として関わってきた全英連福島大会が本日無事終了しました。僕は分科会の司会および会場責任者を担当しました。終わった後はどっと疲れましたが、発表者の先生と福島に来てくださった方が気持ちよく帰れるようにベストはつくしたつもりです。来てくださった先生方が楽しんでくださったら幸いです。

初日は東後先生の基調講演。感動しました。英語を磨いて磨いて、そしてたどり着いた教師としての、人間としての境地。この講演を聞けただけでよかったです。

橘高校の授業は残念ながら見れず。橘高校はリスニング力アップでSelhi研究していたところ。見た人によると語研のオーラルインターラクションをメインとした授業であったとのこと。文法や構文はどう指導しているのか知りたいなあ。英語でのやりとりが多くなると結局文法等は「自分でやっておいて」となるんですよね。本校があるのは良い予備校がない田舎。授業で教えることの重要度は都会のそれより上なので心配ですね。それと分量が進めなくなるのではという懸念。難しい構文はわかりやすく簡素化するのでしょうか。それとも精緻化した情報を与えて理解させるのでしょうか。内容はそれで伝わるとして、形=構造は自力でとれるようになるのでしょうか。知りたいことがいっぱい、いっぱいあります。見た方、よければ情報をお寄せください。

分科会では、グラフィックオーガナイザーを使った読解の説明がありました。発表者の主張の概要は次の通りです。「私たちの生徒は訳があれば「理解できた」と思い込んでいる。しかしそれは「表層的な」理解にすぎない。たとえば日本人である私たちは現代文の評論文には悩まされたはず。日本語がそこにあるということと、本当に理解したということは大きな隔たりがある」これが発表者の主張です。グラフィックオーガナイザーとはその名の通り、○や□、やじるし等の図形を使い、英文の内容を構造化していくことです。単に和訳だけを考えるより、英文の構造がどうなっているか考えることにより、より深く英文の内容が理解でき、部分部分がどうつながっているか理解できるようになるとのことでした。

「英文をより深く理解できるのは単なる英文和訳を通じてではない」という発表者の視点は理解できます。一方、グラフィックオーガナイザーにせよ他のやり方にせよ分析的に英文を読んでいるとき、生徒は英語で考えているのでしょうか。おそらく日本語で考えていると思われます。つまり僕の意見は、分析的な思考力を伴うような読みでは私たちは日本語を使っているということです。日本人の思考に日本語は絶対必要です。つまり日本語の段階でグラフィックオーガナイザーを駆使できないものは英語でも駆使できないということです。僕はグラフィックオーガナイザー(以降G.O.) ということばはカナダで研修を受けるまで全く知りませんでしたが、小学生、中学生と、テキストの内容(特に社会)を理解し覚えようとするとき自然とG.O.を使ってノートに構造化して書き出していました。だとすれば、このような分析的読解は小中学生の時点で、国語や社会の授業で日本語で導入してしまえばよいということになります。PISA型の読解力は英語以外のどの教科でも指導できるのではないでしょうか。G.O.(思考力をともなう深い読み)をまず他教科で、日本語で行わせることが有効だと思います。

このように論をすすめると、「いや私は英語のまま読めているぞ」という方がいるとは思いますが、それは語いと構文が自動化され、文と概念が完全にダイレクトに結びついているような場合でしょう。(ただし意識できないくらい高速に母語に変換しているという説もありますが)語いレベル、構造が複雑な場合、日本語で考えているのではないでしょうか。だとすれば、なるべく英語のままで深い読みを実現する必要条件には2つの方法が考えられます。

1)生徒にとって語い、構造が自動化できるレベルの教材を与える。
2)難易度の高い語い、構造の自動化をうながすような訓練の時間を設ける。

1)に関しては本校では駿台模試、進研模試の問題(難易度が高い英文)を多く解かせているので、教科書(UnicornII)がちょうどその役割を果たしていると思われます。

2)に関しては速読英単語の単語を繰り返し勉強していることと、授業中、帯学習で、構文プリントの日英通訳活動を行っているのである程度自動化がおこなわれていると思います。(とすると本校でG.O.は導入できそうか?)

それと思うのですが、深く構造化して読める文章は概して「語い、構文が自動化され自分が高速に読める文章」である傾向が強いように思うのですがみなさんはどう思われますか。ゆっくりとしか読めないものは、Decodeに精いっぱいで、結局ワーキングメモリーの負荷がかかりすぎているのではないかと思うのです。構造化して読むという高次の作業をするためには語い、構文等が自動化され、ワーキングメモリーのパワーを豊富に使える必要があります。

まとめます。「英文を英語のまま構造化して深く読む」には私見ですが、

  1)第一に日本語の文を構造化できるだけの思考力が必要。 
     →まず国語や社会でもG.O.を使わせる。

  2)よりよい構造化のモデルを学ぶ。
     →英語の論理展開法について学ぶ。

  3)語い構文が自動化されることにより高次な作業にWMが使える。    
     →読んだ内容のリテンション(保持)ができるようになる。   
     →読んだ内容の心的再構造化という高次の作業ができる。

  最後にG.O.は最終的になくすのが目的だと思われます。なくとも読んだだけで  深い読みができないと、実際のReadingでは使い物になりません。(ただし
  発表者は、そのこともわかっていますし、G.O.を使い、プロダクションをさせ
  ることまで考えています) 
  

とまあ勝手なことを思いついたままにずらずら書きました。このような思考のきっかけを与えてくださった発表者の方、モデレーターの先生、どうもありがとうございました。楽しかったです。ここで得た知見を活かしていければと思います。

私信
しんさん、りょういちくん、カラオケ楽しかったです。

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コメント

前田先生、全英連お疲れ様でした。
終わって早速の発信、さすがです。Readingに関しての先生のご意見にも賛成です。わたしも、日英通訳練習などで語彙や構文を自動化する処理速度を速め、ワーキングメモリを高める必要があると考えていました。こういった練習を進学校で行われていることに敬服します。
私はトレーニング的なものをやるときはどんどん読ませ、そしてたまに投げ込み教材で生徒が考えなくてはいけないもの(答えがテキストをただ読むだけではわからないもの)を与え、自分の生き方について考えてもらったりしています。
最近はあまりしていなかったのですが、東後先生のお話を聞いてその重要性を再確認しました。
今後もまたいろいろと教えてください。
では、お疲れ様でした。

投稿: りょういち | 2007年11月11日 (日) 03時12分

受け付けお疲れさまでした。ほんとに助かりました。

>自分の生き方について考えてもらっています。

>東後先生のお話を聞いてその重要性を再認識いたしました。

ともすると、読解テクニックみたいなもので英語の授業が終わりがちです。EducationとTrainingは違う。この言葉には、はっとさせられました。確かに大学に受かってもらうことは大切だけれど、何かを考えさせるそして将来なにかを生み出してもらうきっかけになるような、Educateするような授業も大切ですよね。英語授業は人をつくる、命をつくる授業でなくてはならないとつくづく思いました。

カナダでも先生方は「言語面と、内容面でsomething specificがある授業がいい授業だ」と言っていたことを思い出しました。

言語面ではTrainingは絶対必要ですが、内容面では生徒の内にさまざまな化学反応が起こるものを読ませたいなとりょういちくんのコメントを見て改めて思いました。

投稿: Maeda | 2007年11月11日 (日) 08時16分

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