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2007年8月16日 (木)

使役動詞 make have get

使役とは、自分以外の人になにかさせるか、してもらうということ。何らかの働きかけをしてなにかさせたり、してもらうわけ。そういう意味では、次も「人にやらせる動詞」と言える。

これを「やらせ動詞パート1」とする。
ask 人 to V
tell 人 to V
want 人 to V
allow 人 to V

次にtoを使わない「やらせ動詞パート2」がある。これは文法書では使役動詞として、上の「やらせ動詞パート1」とは完全に区別されているものである。私は連続で教えていいと思うが。みなさんいかがでしょうか。「使役動詞」では、to Vのかわりにtoがつかない原形不定詞を使う。

  make 人  V    He made his secretary type the document.
  have 人  V  He had his secretary type the document.

  let 人 V           He let his secretary take a day off.

* get  人 to V      He got his secretary to type the document.

make の場合は「これぐらいのことはやってくれよな。今度もやらなかったら人事に言って左遷するからな」と、強引にやらせるイメージです。「無理矢理感があるのがmake 人 Vということになります。

have は「これやっといて」「はい、わかりました」というイメージ。「当然やってもらえる場合」に使います。日本語の訳としては、「彼は秘書に書類をタイプしてもらった。」だけど、その仕事を秘書がするのが当然だと彼が思っているなら、「彼は秘書にタイプさせた」でも良い。

get の場合は「申しわけないんだけど、そういう理由なんだ。これやってくれるかな」「仕方がないですね、今回だけですよ」というイメージ。退勤時間間近に急ぎのしごとを頼んだかんじがします。つまりgetには「苦労してある状況を手に入れる」という苦労感、説得感がつきまとうのだ。「苦労して説得して、人に何かしてもらう」これが get 人 to Vの心でしょう。

ではto ありとto なしではどのように違うのでしょうか。toがあると、to は、これからの動作を示しますから、したがって、時間差が生じるニュアンスがあります。つまり逡巡したり、考える時間が感じられるわけです。

toがないと、「直接的」「すぐ行われる」という感じがあるのです。make人Vなら、つべこべ言わせずすぐやらせる。have 人Vも、当然と思っていることですからすぐやってもらう。let人Vは、letには「つかんでいたものを離す」という意味があり、相手が望んでいることをすぐやらせてあげるというニュアンスが出せます。

それに対して、allow人 to V,  permit 人 to V はto がついてますよね。(正確にはto が落ちずについたままといったほうがいいかもしれません) letと異なり、allow, permit,は手続きを踏んだり、了解を得て「〜を許可する」というニュアンスで、すぐ許可するのではなく、相手にタイムラグを感じさせるわけです。get 人 to Vも「なんとか説得して人にVしてもらう」ですから、一手間、タイムラグを感じさせますよね。toがあるのは当然です。

help人 (to) Vは、toがついている場合とついていない場合が見られます。これはどういうことでしょうか。歴史的には、help人 to Vが最初にあり、だんだんto がとれてきているのです。つまり過渡期にある動詞です。ちなみに toがあると、「直接的」というより「間接的」というニュアンスがでますので、他者から言われて助けてあげたという感じになるそうです。John helped Mary to do her homework.   toがなければ、「直接性」のニュアンスが強まり、直接手を出して助けてあげた。という意味になるそうです。John helped Mary do her homework.

歴史的にみると、15世紀ぐらいまでは、make人to Vという形もあったとのこと。つまり使役動詞と呼ばれるものも、最初は to があり、徐々にtoがとれてきているのかもしれません。このへんは今後の勉強が必要です。toがとれてきた最大の原因は前述した、「直接性」「間接性」にありそうです。またよく使う言葉だったゆえに、言葉の省略性によりとれてきたのかもしれません。あるいは、人々の間違った使い方が広がった可能性もあります。make、have, letだけtoがとれていったのは、「すぐに、ただちに、直接」といったニュアンスがこの3つの動詞の場合にだけネイティブには感じられたからなのかもしれませんが、はっきりとはわかりません。今後の宿題としたいと思います。


参考 スペースALC 松澤先生のコラム等 http://www.alc.co.jp/eng/vocab/verbs/03.html

では,to VにおけるVとは何か。 歴史的には,このVは一種の動名詞であったらしく,そこに〈方向や志向〉を示す前置詞toがついたものである。元々は,前置詞のあとに置かれるゆえ,きちんと形態変化を行なっていたが(ちょうど代名詞などが,前置詞のあとで目的格に変形するのと同じである),その後面倒な形態変化が消失し,いわゆる動詞の原形と同じ形態になってしまったらしい。 ちょうど試行的に書いてみると, to goingのように,前置詞に付随することにともなう形態変化があったのが, しだいに to goのように,前置詞に付随しても形態変化を起こさなくなってしまった。 ということらしい。 形態論はさておき,次にto不定詞の意味について考えておきたい。これについては,さきほどの歴史的経緯の説明に含まれる〈方向や志向を示す前置詞〉という文言が手がかりとなる。つまり,現実として誰かが行為をしているという意味ではなく,今後誰かがその行為をしうるといったニュアンスが,to不定詞には含まれるのである。 ただしここでも少し注釈をつけておくと,いまの考察から判断して,不定詞という名称は,「まだ現実の行為となっていない」=「定まっていない=不定」というイメージにその淵源があると考えてしまうのも,なるほど一理あるけれども,不定詞という用語が指し示そうとしているのは,じつのところは,「だれがやるかはっきりしていない」という意味である。だれがやる行為かはっきりすれば,主語が定まり,動詞が主語の人称や数に応じて形態決定される。それが決定されていないから不定詞,というわけなのである。 ということは,同様に動名詞であれ分詞であれ,主語が明確に決定づけられていない動詞由来の表現は,総じて「不定詞」と呼ばれるべきものなのである。しかし,to Vといえば不定詞という思考の枠組が日本で定着してしまったいま,その地位を動名詞や分詞に譲り渡すのはむつかしい。(ヨーロッパ系の言語では,不定詞も動名詞も分詞もすべて「不定形」あるいは場合によっては大胆に「不定詞」の一言で括ってしまっていることが多い) 英語研究の分野では,そうした動かしがたい現状を鑑み,「準動詞」あるいは最近のものとしては,「非定形動詞」といった用語が採用されるようになった。 Veritasピンポイントレッスンより 2007年02月13日より引用 http://juken.alc.co.jp/veritas/archives/2007/02/post_32.html 確かに、誰がやるか主語が定まっていないので、「不定詞」という用語が出来ているわけなので、動名詞も分詞もその理屈で言えば「不定詞」である。語尾を一定に定めているという意味では「定詞」でもいいかもしれない。用語が本質の理解を阻害している最たる例と言えるのではないだろうか。 生徒は塾で不定詞または原形不定詞という言葉を習ってくるかもしれないが、学校で導入する場合、to +動詞の原形 ぐらいにとどめておいたほうがよいかもしれない。不定詞(infinitive)という言葉を「まだ未定のこと、将来のこと、具体的でない抽象的なこと」という概念をむすびつける意味で使用するのはよいと思う。ただし、上述のように本来の意味=「主語が未定」という意味で使うのはかなり不毛な作業と言えるのではないだろうか。日本全国に広まってしまった用語であるが、提案としては「 未来抽象詞」とでもしたほうがいいかもしれない。

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