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2006年9月10日 (日)

スラッシュリーディング

今時スラッシュリーディングへ批判的な方がいる。曰く「スラッシュの位置など生徒はわからないし,わかっていたらその生徒はもう相当な力がある」という批判だ。なんと「愚かな」と思う。こういう人でもスラッシュリーディングの効用は一応認めているものだ。しかし,指導上実用的でないというのである。悪いところは工夫し,良いところは残せばいいではないか。 工夫というものを全くしない教師の典型である。ではどうするか。
最初からスラッシュ入りの教材を使う。スラッシュの入る場所を学ばせる。そういう教材を何本か頭に入れた後,スラッシュがついていないものを自力でスラッシュをつけて読ませる。スラッシュ入りの教材を覚える中で前から意味を処理する方法を学ぶ必要もあるだろう。
 
学力が上がるにつれてだんだんスラッシュをいれる間隔は長くなっていく。しかし完全にはなくならない。心理言語学や認知言語学などの分野では,チャンク(句)ごとに言語処理していることがだんだん明らかになりつつある
 
読解には私たちはワーキングメモリーを使っている。ワーキングメモリーの処理量には制限があり,1)文字の音声化と2)チャンクを切ること(文法)に手一杯だと,内容の保持まで手が回らなくなる。読んだはいいがすぐ前に書かれてあることを思い出せないというのはこれにあたる。しかし,文字の音声化とか,文法など下位の技能がある程度自動化されると,そこに振り向けられていたパワーが内容の予測(anticipation)や,予測の訂正処理された意味の保持(Retention)といったより高度な作業にワーキングメモリのパワーが使われる。
 
音読が大切な理由は,文字を音声化する作業の自動化を促進することにある。すると限りあるワーキングメモリーのリソース(資源)を解放してあげられる。また意味は音と結びついているため,文字を見て音声がすばやく想起できるとその分速く意味にもアクセスできるようになるのだ。
 
スラッシュもどこに入れるべきかまず入れる場所を帰納的に学習し,あとはスラッシュ入りの教材を使うことでそれを確認していく。さらには自力でスラッシュを入れる活動を通してさらにその作業を自動化できるようにする。スラッシュを入れることを意識しているうちはワーキングメモリのリソースをそのために取られ,予測,訂正,決定,保持といったより高次の読解処理活動を行えないわけだ。
      
         

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