2019年3月14日 (木)

外部民間試験の問題点について

CEFRの換算表に本当に根拠はありますか
まず、CEFR(セファール)という欧州の言語習得の基準は、複数のテストをまとめるためのものではないということを基準を作った人たち自身が明言しています。今回の用途にCEFRを使うことの妥当性のデータ、エビデンスはありますか?「専門家が大丈夫と言っている」はエビデンスではありません。具体例やデータを上げず「大丈夫」と書いたら、英語のライティングで書いたら減点されるところです。
50万人の生徒をどうやって受験させますか
春から冬にかけて高3生徒は年2回までの受験が可能になります。いったいどのくらいの数の生徒がどこでどのように試験ができるでしょうか。受験申し込みは人数制限があるでしょうか。申し込み制限があり、他地域、他の都市での受験を強いられることはないでしょうか。
隣の受験生の音声が聞こえている状態での試験は避けられますか
スピーキングはパソコンやタブレット吹き込みが予想されますが、隣の人との距離は十分あるでしょうか。ついたてなどがあったり、密閉型のヘッドフォンなどが用意され遮音対策は万全でしょうか。そうでなければ、となりの人の声をまねて答えることがありえますし、人の声が集中力の邪魔をして、有効な評価ができなくなります。このあたりはどうお考えでしょうか。
経済格差によって生じる学力差助長は問題にならないでしょうか
受験料が安くなるかと思いきや、英検などは本試験会場の受験料がものすごく上がりました。3年次に受けるテストの受験料が心配です。経済格差の問題については国は具体的にどのような経済的措置を予定しますか?
現場は上記のような考えがあります。ぜひ検討いただきたいと思います。
東北大や東大は実質、民間英語試験にNoをつきつけました。日本を代表するアカデミズムの守護者たる方たちが疑念を抱いています。私たち現場はこのことをどう捉えるべきでしょうか。東北大や東大の先生方は間違っているでしょうか。それとも正しいでしょうか。「考え方の相違」で逃げるべき問題でないことは確かです。

提言として
(1)出資してくれる企業を集め、会社を設立。Speaking, Writing試験を委託。
   現実的には英検とベネッセになるでしょう。これで受験生の8ー9割近いです。
   ETSや、ケンブリッジを巻き込んでもいいでしょう。とにかく一本化
(2)9月入試へ変更。6月末入試。7月二次。7月ー8月に人海戦術で採点。
   本気で国際化社会に対応するなら4月にこだわる意味はありません。
(3)指導要領をしっかり反映する英語のナショナルテストの実施
(4)国策による経済的支援。
 
  政治家のみなさん、文科省の方にはぜひ頑張っていただきたい。

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スローラーナーの指導についての研究

四月より、京都外国語大学 安木真一教授の御指導のもと、他の高校の先生方とともに、スローラーナーの指導について研究することとなりました。自分なりのやり方だけでなく、さらにいろいろな方のやり方を学び、成果発表へとつなげていきたいと考えています。まずは本校生徒、地域の生徒たちに還元できればと考えています。

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2019年3月13日 (水)

スローラーナーと as....as構文

スローラーナーの指導について考えることが多いです。 今回は比較as...as..構文について。

中学までは 「形容詞の前後にas...asをつけるんだよ」でほとんどすみます。しかし高校の英作文では決してそうはいかなくなります。もう少し複雑な文が出てくるからです。 「彼女は彼と同じくらいテニスが得意だ」といった場合、生徒はとまどいます。そしてよくておそらく下のような文を書きます。

She is (as) good (as) at playing tennis(he).

これは生徒がas...as..構文の本質を理解できていないからに他なりません。

本質は「2文連結」です。 理解の一歩目は同じ構文が並んでいることを理解させること。
She is good at playing tennis = He is good at playing tennis.
最初のasは副詞で「同じくらい」の意味。 She is (as) good at playing tennisと形容詞goodの前につける。 「彼女は同じくらいテニスをするのが得意だ」 2つめのasは接続詞。「と比べて」ぐらいで訳す。接続詞なので2つめの文の先頭に必ず置く。 (as) he is good at playing tennis.

そして大事なことは、2つめの文の中で、1つめの文に一度でてきた情報と同じ情報はカットすること。うざいから。この場合、カットすべき情報はgood at playing tennisになります。 isは?と思うかもしれませんが、実は主語 heだけ残っていることは少なく、as he is.とbe動詞までは残すことが多いのです。

*as himとすることもありますが、2文連結ということの理解促進のため、as he isの方で指導を進めたほうがよいと思います。

○She is (as) good at playing tennis / (as) he is.
 彼女は同じくらいテニスが得意だ  彼と比べて。

本質をつかんだ生徒は、応用が利くようになります。 「7月は東京は沖縄とおなじくらい暑い」が書けます。

In July / it is hot in Tokyo = it is hot in Okinawa.

形容詞hotの前に副詞の as「同じくらい」を置く。 In July it is (as) hot in Tokyo 「7月は 東京は同じくらい暑い」 2つめの文の先頭に接続詞asをつける。 (as) it is hot in Okinawa. 1つめの文と2つめの文でかぶった情報はカット。この場合 2つめの文の it is hotがかぶっており、要らない。inもかぶっているではないかと思うかもしれませんが、inまで抜くと、Okinawaが2つめの文のSなのかどうか判断を迫られ、相手に余計な認知負担をかけることになるので、inは残します。  

   In July / it is (as) hot in Tokyo / (as)( it is hot ) in Okinawa.
 ○ In July / it is (as) hot in Tokyo / (as) in Okinawa.

2番目の文は気候を書く場合、It is 形容詞と itを使って書くという知識が活用できていないと書けません。また、7月、東京,沖縄ともに、日本語にすると主語っぽく響きますが、前置詞が必要であることも知識としてないといけません。 もし自分が書かせるならば、前もってこのあたりは練習してから書かせることになるでしょう。It is hot in Tokyoなど。


最後に、as...asの間にある形容詞や副詞はもとの意味を失います。as tall as...は決して「同じくらい背が高い」ではありません。身長140cmの小学生同士を比べたら、「同じくらい背が高い」とは言えないでしょう。「同じくらいの背丈だ」とするとよいと思います。同じように as big as...なら「同じくらいの大きさだ」as long as...なら「同じくらいの長さだ」とする必要があります。もちろん、ナイル川との比較なら、「同じくらい長い」でもいいんでしょうが、「同じくらいの長さだ」とすると、目の前のあまり長くないひもにも as long as...が使えます。使用範囲の汎用性があり、メリットがあります。

だとすると先に書いた、「as good at...」も「同じくらい得意だ」ではダメかもしれません。もし、「彼」が初心者なら彼女もダメダメということになります。「同じくらいの腕前だ」ぐらいがいいかも。もちろん「彼」がジョコビッチ並なら、「同じくらいうまい」でもいいですが、「同じくらいの腕前だ」の方が汎用性が広いですね。


さて、これらをいきなり、中学で教えた方がいいだとか、高校の困難校で教えた方がいいとも言えません。目の前の生徒がどうか判断し、いけると思ったら指導すればいいと思います。

しかし、たとえShe is as tall as he is.のような簡単なレベルでも、以下のようなステップを踏むことは難しくないでしょう。

She is tall = He is tall. 
She is (as) tall (as) he is tall.
She is (as) tall (as) he is.

そしてこのようなステップの先に、 「彼女は彼と同じくらいテニスが得意だ」 「7月は東京は沖縄とおなじくらい暑い」  が書けるようになります。

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